あの死神が
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「ルナちゃん、今日もかわいいね〜」


「またまたー」



誰にでも愛嬌がよく
男女とわず人気者のルナは俺の恋人だ・・・


しかし、U.S.Sに所属している以上
私欲は厳禁だ・・・腹綿が煮えくりかえりそうになるのを
グッとこらえる。


本当ならあの笑顔も仕草も全部俺のモノだ
俺以外の男にそんなかわいらしい笑顔を向けるな・・・

俺だけに、俺だけに見せていればいい・・・
お前の笑顔は他の男にはもったいないほどだ・・・


いや笑顔だけじゃない・・・
触れるのもだ、そんな手で俺のルナに触るんじゃない・・・



「おい、その殺気どうにかならないのか?マスター」


その光景を俺は殺気をたててにらんでいたらしい
となりにすわってベクターに言われ我に戻る


「すまない・・・」


「マスターもやきもちやくんだな」


「ふん・・・」


意外そうに見えるんだろうか
俺もこうみえても人の子だ・・・


愛しい者が他の男に鼻の下のばしてみられているとおもったら
殺気ぐらいわくだろ・・・



「ルナは人気者だからな・・・スタイルもいいし」


「・・・・・」


「悪かったよ・・・そんなに睨まないでくれ・・・」


ベクター・・・貴様もそんな目でルナを見ていたのか
どいつもこいつも・・・



「ハンクー、おーーーい」



仕事が終わったのか男とも話を終えたのか
こちらに手を振りながら近寄ってくるルナ


たださきほどからの面白くない気持ちを抑えることができず


「いっ・・・」


ルナの腕をひっぱり
そのまま待機室を抜ける


「いたいよ、ハンク」


「お前は・・・」


「な、なに?」


何に対して怒っているのか理解できていないルナは
ただ腕をさすりながら不安そうにこちらをみやる



「人の気も知らず・・・なんでお前はそう無防備なんだ」


「ハンク?」


「…もういい…」


だんだん自分女々しさに嫌気がさすのと同時に
馬鹿らしくなり彼女から視線を逸らし黙った…


「もしかしてハンク…やきもち?」


「ばっ…な、何を言う」


クスッとルナは私を笑った
そらに私はなんていう情けない反応だ…
これでは、まるで…


「あの死神と呼ばれた男がやきもちなんてね」


「……」


それだけお前を愛しているんだ…


とは言わない…いや、言えなかった
私にもプライドがあるからな…






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