love actually is all around
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「はぁ・・・最近、冷たい」

そう愚痴をこぼした人物はアンブレラ特殊部隊に所属する
女兵士ルナ。
お酒を飲みながら一人ぽつりとつぶやく


「もう付き合って2年・・・」


「まぁさ、彼も忙しい身でしょ?ストレスが溜まってたりするのよ、気にしすぎ」


「倦怠期だわぁ・・・最近でさえ好きとも愛してるとも言わないのよ・・」


はぁ・・・と深いため息をつきながら
机に顔を伏せる


「もう2年も付き合ってるんだから今更言葉で現さなくても・・・」


「なに男みたいなこと言ってるんのーーーいつになっても言葉で知りたいよぉー」


「あーはいはい」


だんだんめんどくさくなってきてるのか
友人もルナの扱いが雑になりつつある

「最近はどうしてるのよ会ってるんでしょ?」


「会ってるけど、話しかけても相槌ばかりだし、抱きつくと腕でどけって・・・」


「まぁ、それはだいぶこたえるわね・・・ウルフパックといえば最近ずっと任務続きだから一人でゆっくりしたいんだと思うけどね?」


「だけどぉ・・・・」



仕事柄しょうがないといえばしょうがない
そんなことは同じ職業についてるルナでも分かってる
でもやっぱり・・・というのがあって
色々悩んでしまう


「明日帰ってくるんでしょ?」


「うん・・・」


「生きて帰ってくるだけで幸せじゃない?いつ死んでもおかしくないんだし」


「そりゃ・・・そうだけど・・・」


もし仮に任務で殉職したとなれば
ショックで立ち直れないかもしれない・・・そう思うと
生きて帰ってくるだけで幸せなんだと思う・・・そう思えることだけが
唯一の幸せなのかもしれない


「愛は実はどこにでもあるようなもんなのよ、あなたのために生還してるんだったら最高じゃない」


「・・・そっか・・・そうだよね・・・帰りを信じてあげなきゃね・・・」


大切な人の帰りを待つ・・・
まるで夫婦みたい。。。そう思うとルナの気持ちもスッと和らいだ
心が落ち着いた頃に自室に戻って寝ることにしたルナ


++++++


翌日


「ふぁぁ・・・頭痛い・・・」


俗に言う二日酔いだ・・・
ルナは頭を抑えながら顔を洗いにいくと


”ウルフパック全員無事に帰還”


というメッセージがはいった

「え?うそ・・・早くない?」

予定よりも早く任務成功したのか
ベクターたちは帰ってきた


ルナは痛む頭を抑えながら
ベクターの部屋へと急ぐ


「ベクちゃん!」


「あ?・・・あぁ、ルナか」


「おかえり!」

部屋にはいるなり大きな声で
おかえりっていうルナは目の前にいるベクターに
抱きつきたい気持ちをぐっとこらえニコニコしていた


「ただいま・・・何か飲むか?」


「え?あ、いいよ・・・顔覗きにきただけだから、じゃぁ帰るね!」


「あぁ」


そう言ってベクターの部屋を出るとドアの前でしゃがみこむ

「・・・素直じゃないなぁ、私って・・・」

引き止めてくれなかったことと、愛想がない返事に
昨日思ってた気持ちがどんどんルナの中で崩れていく


今まで溜め込んでいた気持ちが涙となり
ついにはしゃくりあげてしまう

このままでは、聞こえてしまうと
ルナはそのままベクターの部屋を離れようとすると


「ルナ・・・何泣いてる」


「ベク・・・ちゃ・・・」


「入れよ」


「いい・・・」


「なんでだよ」


案の定すすり泣きが聞こえてドアを開けるベクターは
中に入るように託せばルナは頑として中に入ろうとはしない
そんなルナに不機嫌そうに顔をかすめるベクター
全然中に入ろうとしないルナの腕を掴み

部屋の中へと連れ込んで
ソファーに投げ飛ばす


「いたいよ・・・ひっく・・・」


「何で泣いてるんだ」


「・・・・っ・・・・」


「泣いてるだけじゃわかんないだろ。ガキじゃあるまいに」


いつまでも泣き止まないルナ
それにイライラするベクター


「ベクちゃん・・・私のこと・・・もうどうでもいいって思ってるでしょ?」


ぽつりぽつりとつぶやくルナに
ベクターは黙って聞く


「どうでもいいって思ってるんだったら部屋にあげたりしない」


「だって・・・・いつも・・・冷たい・・・」


「・・・どうしてそう思う」


「相槌・・・ばかりで・・・・突き放してばかりだ・・・し」


今までの不満などをベクターにぶつける
涙をいまだ流しながらしゃくりあげながら
必死に訴える


「任務・・・辛いの・・わかってるけど・・・・」


「愛して・・・・くれて・・・・ないって・・・・」


「それで泣いてたのか?俺の気もしらないでか?」


コクリコクリと頷くルナに
ベクターは髪をくしゃくしゃと掻くと

ルナの前にしゃがみこみ


「俺は2年も待ってる・・・だけど抑えられるものとそうでないものがある」


「ど・・・ういう・・・こと?」


「2年もの間、俺はお前を抱きたくてしょうがない」


「え・・・・」


「だけど、お前を傷つけるんじゃないかと怖かった・・・だけど今現在傷つけてる」


ベクターもこの2年間我慢し続けていたことを
打ち明けるとルナは泣くのをやめて
自分のことを常日頃考えていてくれたことに
驚いていた


「そんな・・・」


「別に冷たくしたくてしてたわけじゃないんだ・・・悪かった」


「ううん・・・私こそ、自分のことしか考えてなかった・・・」


「ルナはなんも悪くないぞ・・・」


ルナは安心したのかベクターの胸元に顔をうずめれば
ベクターはルナの頭を包み込むように抱きしめる

「ごめんね・・・ベクちゃん・・・」


「今夜・・・いいか?」


「・・・うん・・・」


うずめていた顔をあげ
どちらからともなく、唇を合わせる

何度も角度をかえ
どんどん深いものへと変わっていった・・・






---END---




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