偶然の出会いと幼い頃の約束
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「おおきくなったらベクターと結婚するんだ!」


幼い頃、好きだった女にそう言われたことを
今でも覚えている。

だが、そんなものは幼いときの約束で
大人になればそんなものは本人も忘れていることだろう


じゃなければ・・・
俺の目の前で恋人といないだろうしな・・・




「やっだ、もう・・・口にクリームついてるよ?」


「ははっ・・・ルナだってクリームついてるぞ?」



偶然も偶然だ・・・よりによって
その幼い頃に好きだった女がアメリカにいたんだからな・・・
今じゃ違う男とこうして幸せに過ごしているんだ・・・

ルナは俺がベクターだってことには
気づいてないだろう・・・


喫茶店に入って前を向けばルナと知らぬ男
男女仲よくイチャイチャしているのは恋人だからであろう


だけど・・・まだつけてたんだな・・・
そのお守り・・・



「結婚するんだから婚約指輪だよー」


と言って俺に渡してくれてた・・・
そのお守りの中にはあの時の指輪がはいっている


そんな俺もいつも持ち歩いていた・・・。
ベルトウェイやスペクターに「なんだそのボロイ布切れは」と
散々言われていただが・・・・


ポシェットからそのお守りを取り出し
中を開ければ水色の指輪が入っていた。。。
プラスチックでできた丸い指輪を取り出せば


「あ・・・・・・・それ・・・・」



すると先ほどから男とイチャイチャしていた
ルナが驚いた表情を浮かべこちらを見ていた


「・・・・」



「もしかして・・・・ベクター?」



「・・・あぁ・・・・」



するとルナは椅子から降り
俺の前にたち



「私も・・・これ同じの持ってるの!ルナだよ?覚えてる?」



カバンから取り外し中から
プラスチックの丸い指輪を取り出せば
ニコニコと笑顔を浮かべていた


ルナの指輪はピンク色の可愛らしい色だった


「偶然だな・・・・新婚旅行だったか?」


「ちがうよちがう!ベクターを探しに来てたの!!アメリカにいるって聞いてね!」


俺を探しにわざわざアメリカへ?
じゃぁこの男は一体だれなんだ・・・・

そしてどうして俺がアメリカにいると知っている?
ロックフォード島に行く際も誰にも告げず日本から旅立ったというのに・・・



「探したんだよ?本当苦労したんだから・・・・」



「・・・・なぜ・・・」



「約束したじゃない、ベクターのお嫁さんになるって」



「そんな・・・幼い頃の約束だろ?」



正直いって嬉しい。俺もルナと同じで
その約束を柄にもなく信じていたんだからな・・・

そんなことのためにいろいろ調べて
俺に会いにきてくれたことに感謝だ



「約束は約束だもん。。。まぁ、ベクターも今ごろ好きな人と暮らしてるのかなーって不安だったけど」



「いや・・・俺は・・・俺も・・・・そうだった・・・」



「でも、本当偶然だよね・・・会えると思ってなかったもん。情報も少なかったし」



それもそのはず・・・U.S.Sやアンブレラに勤めているとなんて
誰も知らないわけだからな・・・・


「ルナよかったな!出会えて!」


「うん!」


さっきから黙って微笑んでいた男が
ルナの頭にポンっとのせ笑っていた


「この人は?」



「あ、いとこのお兄さん!」



「・・・・つまり・・・あの意地悪なお兄さん?」



「ははは・・・そこまで意地悪だったか?」


だいぶ風貌も変わっていて気づかなかった・・・
小さい頃意地悪ばかりされていたからな・・・
あまりいいお思い出はないんだが・・・


「じゃぁ、ルナもベクターと無事会えたわけだ・・・俺はそろそろ帰るな。幸せにな!」


そう言って荷物を持ち
喫茶店をでていけば、ルナは何やらカバンをあさりはじめる


「会ったら渡そうと思ってたの・・・」


そう言うと小さなハートの形をした箱を
差し出してくる


「これ・・・・は・・・・」


開けばそこには立派な指輪がはいっていた・・・
信じられず俺はルナの顔を見ると


「結婚。。。してください・・・」


「・・・・俺こそ・・・結婚してくれ」



それは男の役目だろ!っとつっこみたいところだが
まさかの逆プロポーズに俺は驚いたが
嬉しかった



指輪をはめると同時に
周りにいた客たちも聞こえていたのか
大きな拍手がひびきわたった



「おめでとうございます!!!」と大きな声で店員が言い
その後をおうように客たちも「おめでとう」と大きな声で
祝ってくれた


「ルナ・・・俺の仕事は綺麗な仕事じゃないが。。。幸せにする」


「うん!ありがとう!」



こんなこともあるもんなんだな・・・
幼い頃に「○○くんのお嫁になるんだ」と約束することは
よくある話だがそれが現実に叶うのは
そうないと思っていた。



信じていてよかったと
そう感じた・・・・



---END---


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