Ti a mo・・・・・
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愛している・・・そう言ってほしかった
ずっと・・・ずっと・・・



「ルナ!なんで泣いているの?!」


そこへ走ってきたのは
同僚であるフィン・マコーレだった

彼は気弱で大人しい男の人だ
なんだかんだでそばにいてくれる唯一の男性


「ううん、なんでもないよ・・・」


「何かあったんでしょ?!」


「なんでもないって」


彼は優しい・・・
本当は彼の胸に抱きついて甘えたい・・・
でも、困らせるだけだし・・・最低な女には
なりたくはなかった


「ねぇ、恋人となにかあったの?」


一番聞かれたくないことを聞いてくる
空気の読めなさは相変わらずだけど・・・



「ねぇ、フィンだったら・・・」


「ん?」



「好きな人に「愛している」って言ってほしいって思うのはおかしいのかな」


フィンは目を大きく開き
固まっていることがわかった。無理もない・・・
いきなりそんなこと聞かれても驚くのは当然のこと・・・

私も何でそんなことを聞いてしまったのか
わからない


「おかしくないよ・・・むしろそれが普通だよ!」


「そっか・・・ありがとう」


「ねぇ・・やっぱ何かあったんでしょ?」

心配そうに覗き込むフィンを見たら
我慢の限界がきたのか
涙がこみ上げてポロポロと垂れる雫が地面を濡らすと


「辛かったんだね・・・」


「うっ・・・・ふっ・・・っ・・・・」


だんだんとしゃくりあげてきて
呼吸も辛くなってくるとフィンが優しく抱きしめてくれて
背中をやさしくさすってくれる


「まだ続いてるの?」


「・・・・ううん・・・・しつこい・・・・おんなっ・・・はきrっ・・・・」


続きを言わさないつもりなのか
フィンはめずらしく顔つきが険しく指で私の口を
塞ぎ


「もう・・・いいんだよ」


そうつぶやけばいつものように
やんわりと表情が変わる


「優しいんだね・・・・」



「ボクだってルナが泣いているところみてると辛いもん・・・」


「どうして・・・?」



「だって・・・ボクは・・・ルナのことが・・・好きだから・・・」


「っフィン・・・・」



ニコリと笑うとすぐにフィンは
私の体を引き寄せ抱きしめてきた

どうしていいのかさえ
私にはわからないけど
ただ呆然と抱かれていた


「最低な男だって思ってるよ・・・本当は早く別れて欲しかったんだ・・・ボクのものにしたかったんだ・・・」


「フィン?」


「近いうちに。。。奪いにいく予定だったんだけどね?」


こんなにも逞しいフィン
はじめてみたかもしれない・・・ずっと気弱で心の優しい彼だと
思っていた

はじめて「男」を見せた瞬間なのかもしれない・・・
それに惹かれるかのように
私は無意識にフィンの唇を奪っていた・・・



「ルナ?」


「あ・・・ごめんっ・・・・」



「いや・・・嬉しいよ、本当」


「え?」


「ボクの恋人になってくれるってことだよね?」



「うん・・・・」



昨日別れて・・・最低な女なのかもしれないけど・・・
きっと・・・これが私の幸せへの道なのかもしれない・・・




「やった!やったぞ!!ついにボクの・・・ボクのお嫁さんが!」



いつの間にかお嫁になってるけど・・・
やっぱり、まだ少年のようなフィンだった

いつもそばにいてくれて
支えてくれてたのは前の彼ではなく


フィンだったんだね・・・・







「ルナ!愛してるよ!」


「大声ださないでよ!」


「え?もう大好きだよ!」


「フィーーーーン!!!!!」









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