食物の恨み
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---Vengeance



ねぇ・・・この意味分かる?----

一枚テーブルに残された1枚の手紙
ビリーはその手紙を持ちクシャっと握り


「わかるわけねぇだろ・・・」


一瞬は家出と思っていた
だが昨日まで一緒にテレビをみたりまったりしていた
だが朝起きればとなりでねていたルナが居ない


「どうしちまったんだよ・・・」

あたりを見回すがルナの荷物はちゃんとある
携帯もそのまま机の上に置いてあることに気づいた


「まさかな・・・」


家出という選択肢はなくなったが
誘拐?とふと頭をよぎった


だが、考えてみろ・・・昨日一緒に寝ていたんだ
誘拐されたなら気づくはず

ビリーはますますわけがわからなくなり
頭をかきむしる


pipipi・・・

するとビリーの携帯が鳴る
携帯を開けばそこには「レベッカ・チェンバース」と書かれていた
レベッカからの電話だ


「なんだ、こんな忙しい時に」


「ルナが・・・人質に・・・」


「え?!」


なんでこんな朝早くに人質だ?
そしてなんでこの置き手紙?

意味がわからない
まるでこうなることを予測したような・・・
ルナに予知能力があったのか?

そんなのんきなことを考えている余裕はないのだが


「とにかく早く来て!」


「なんでだよ!どういうことだよ!」


「いいから!」


ブチィっと切られビリーは何がなんだか
わけがわからず、とにかく人質事件ならニュースがやってるだろうと
テレビをつけてみるがそんなようなニュースは一向に流れてこない


「ますますわけわかんねぇよ・・・」


指定された場所に向かうため
ビリーは上着を羽織外に飛び出す


「手紙のVengeanceって何語だぁ?・・・あぁ、とにかく急がないと!」


手紙の内容と人質と何か関係があるのか
それはさておき、ビリーは走って向かう



パァンッ!


目的地まであと少しというところで
銃声とちがって高くなにかクラッカーなような
音が鳴り響いたかと思えば


満面の笑顔でニコニコと
「ドッキリ」と大きな文字で書かれた表札を
持っているルナとクラッカーを鳴らしたレベッカの姿が
ビリーの目に映った


「は・・・はぁああああ?!」


「やった!ひっかかったぁ!」


やったねっと二人で手を鳴らせば
ビリーはその光景にがくんと肩をおろす


「俺の心配は・・・一体なんだったんだ・・・」


そんなビリーなどおかまいなしに
ルナはビリーの前にたち


「ねぇ、びっくりした?そして手紙の意味わかった?」


「・・・・Vengeance・・・わからねぇよ」


「それね、フランス語で「仕返し」という意味なんだよ?」


「・・・・・・・・」


仕返しと明るく言うルナにビリーは
はぁ・・・と深いため息と自分がルナに一体
恨まれるようなことをしたのかわからないでいる


「俺・・・何かしたのか?」



「私の大好きだったプリン食べたでしょ!」


そうルナが言うとビリーは
あぁ、そういえば・・・と心当たりがあり
まさかそんなことでこんな・・・


「食べ物の恨みは怖いっていうでしょー?」


「もし。。。ひっかからなかったらどうするつもりだったんだよ」


「んー?その時は帰らないつもりだったよ?」


なんていう女だ・・・と
ビリーは頭を抱えればレベッカがビリーの肩をポンポンと叩く


「なんだよっ・・・・・?!」


振り返れば目の前が真っ暗になり
顔に何かベチャベチャとした何かが張り付いた

一瞬で「パイ投げ」と分かるとビリーは

「このやろう!!!レベッカは関係ないだろ!!」


「ルナの恨みは私の恨みでもあるんだよー?」


いつもこの二人は仲がよく
よくつるんでいることはビリーはわかってはいたが
こうまでくると腹がたってくる



「レベッカ!」


「ビリー!これでもくらえーっ」


「ふげっ」


ルナの方へ向けばまたもや
顔面にパイが命中する


惚れた弱みなのか
ルナには怒鳴ったりせず、ただぐぬぬっと
握りこぶしをふるふるとさせていた


「私のプリン食べたビリーが悪いんだからねっ」


「だからといって心配させんなっ」


「ふふ、でも心配してくれてありがとう」


真っ白なビリーの顔が面白いのか
笑いをこらえながら言うルナだが

パイまみれのビリーの唇に
自分の唇をチュっと重ねると


ルナの口周りにパイが付けば
まるでヒゲのようで


「ははっ白いヒゲが生えてるぞルナ」


「ビリーなんてパックつけたおばさんみたい」


ケラケラと笑いあう二人に
レベッカは、邪魔者退散と、その場から離れる


「はぁ、でもドッキリでよかったぜ・・・」


「ふふっ」



---END---


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