それとこれとはちがう「やっぱ渋い人って格好良いねぇ〜クリス」
部下であるクリスと親しげに話すルナの一言が原因。
ルナに好意を寄せているウェスカーは
いかに自分の女になってもらうには
何かいい手はないか、と考えて毎日を過ごしていたら
ルナのタイプが判明し、ウェスカーは行動にでる
「隊長急にどうしたんだろう?」
「・・・さぁな」
クリスは首を振り、テレビへと視線を戻す
ルナはクッキーを加えながらウェスカーの出て行った方へ
視線を送っていた
しばらくテレビを見ていると
ウェスカーが戻ってきた
「隊長、どうしたんですか」
「いや・・・コーヒーをこぼしてしまってな」
着替えてきたんだと付け加えれば
ルナは「ふーん」とだけ応える・・・その反応に
不満があるのか・・・
「ルナはこういう男は嫌いじゃないんだろう?」
「どうしたの隊長?なんか変だよ?」
歯車の合わないこの会話に
クリスは肩を震わせていた
ウェスカーはルナに振り向いてほしさに
渋い男が来てそうな服に着替えてきて、そのルナには伝わっておらず
そんなおかしな展開があるかとクリスは笑いをこらえている
「隊長、いつものような渋い男でいてくださいよ」
「なん・・・だと?これは渋くないというのか」
「いつもの隊長は渋いですよ、グラサンしていて、いつもブラック飲んでいてクールで」
その言葉を聞きウェスカーは
その場を黙って立ち去り元の服へと着替えにいくさいに
口角が上がっていた
+++
「これでどうだ」
「いつもの隊長はやっぱり渋いです」
いつもどおりにグラサン、腕捲くりの服に着替えてこれば
ルナは満足そうに笑っていた
「渋い人はやっぱ格好良いです」
「ルナ・・・抱きしめてもいいか?」
「なぜです?」
「私のことが好きなのだろ?」
「それとこれとは違います」
そう満面な笑顔で拒否をされたウェスカーは
ただ呆然と両手を広げていた
「隊長ダサすぎだろ・・・」
「クリス・・・仕事を増やすぞ?」
「・・・・」
---END---
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