事実は真実じゃない
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休日をまったりと過ごすはずだったレオンだが
同じく休日な同僚ルナが遊びに来たことに
レオンは決まりゼリフを吐き捨てる

「泣けるぜ・・・」


「俺がいちゃダメってか?」


「ルナは女だから私とか・・・そういう言い方出来ないのか?」


「もういい加減慣れてくれてもいいんじゃない?俺は俺だし」


ルナは女だが一人称「俺」なのだ
僕っこよりタチが悪いと思うレオンはため息すら出ず
ただ呆れた目でルナを見つめる


「なんだよ」


「いや・・・女らしいところないもんだな」


「女らしい?エージェントなんだし女らしくするより男前のほうが」


「エイダを見習え・・・・」


「なんでエイダがそこで出てくるのよ!彼女だって十分男前じゃない!」


そんなことを言い出すルナに
レオンは思わず目を見開く


「エイダは女性だ、立派な女性だ」


「本当レオンはエイダのことになるとそうなるよね」


「それに比べルナは「俺」だし、仕草も全然女らしくもない・・・」


エイダと比較をするとキリがない。
そう言うレオンにルナは少しムッとする


「そりゃ俺は女らしさの欠片もないさ、小さい頃から男だ男だと言われ続けていたしなぁ」


「お・・・おい」


「しょうがないじゃん?小さい頃からこんなんだし!別にレオンに迷惑かけてるわけじゃねぇし?!」


急に怒り出すルナにレオンは驚愕する
なぜいきなり怒り出したのかが読めないレオンは
静止を持ちかけるがそんなことなどおかまいなしに
ルナはマシンガンのように口走る


「てか、エイダが好きならさっさとあの女とっ捕まえて自分のもんにしちまえよ!このヘタレエージェントが!ばーか!」


それだけ言い残しルナはレオンの
家を飛び出した

呼び止める手など虚しく
そのまま下へとゆるゆると下げていく

「・・・・なんだよ、まったく」

そんな言葉などルナには届くはずもなく
ただ呆然と出て行った扉を見つめていた


++++
その頃ルナとはいうと・・・

「はぁ・・・分かってたさ・・・エイダが好きだってこと」


路上をとぼとぼと歩き
転がっている石を蹴っ飛ばして歩いている


「そりゃこんな男みたいな俺とじゃ無理ってはじめっから分かってんのになぁー・・・バカだなぁ俺も」


「あら、ルナじゃない」


「?!」


そこに急に現れたのはレオンの想い人であるエイダだった
常に神出鬼没な彼女の登場にルナはため息をもらす

「どうしたの、こんなところで石けりなんてして」


「別に、レオンがエイダにとっとと想い伝えねぇからイライラしてんのさ」


自分がレオンが好きなことを察っせないように
嘘をつくルナ、だがエイダはクスリと笑っていた

エイダは当然にルナの嘘など見抜いていた


「ふぅん、それは的はずれね」


「何言ってんだよ、事実だろ?」


「レオンが好きな人が私だと思ってる?」


「そうだ」


ルナは自信満々に頷く、内心はとても複雑だが
事実なのだからしょうがない
と、ルナは心に思う


「レオンと一緒に居ておきながら全然分かってないようね」


「はぁ?何言ってんだ、レオンはアンタに」


「そう言ってるとアナタの王子様が走ってきてるわよ」


エイダが指を指す方向をクルリとみると
そこにはレオンがこちらに向かって走ってくるではないか


「やはり、エイダのこ・・・あれ?」


エイダの方へ体を戻すと
そこにはエイダの姿はなかった、いつもの如く
フックショットでどこか去っていってしまったのだろう


「ルナ、こんなところにいたのか・・・」


「エイダがさっきまで居たんだけど、残念だな」


「エイダには用はない」


「はぁ?わっけわかんねぇ」


息を切らしぜぇぜぇと肩で呼吸しながらしゃべるレオンに
エイダには用はないと予想外な発言が返ってきたことに
驚く


「ルナは俺がエイダを好きだと勘違いしてるだろ?」


「勘違い?じゃぁなんだよ、俺といっつも比べてるじゃねぇかよ」


「いや・・・俺が好きなのはルナだ」


「質問に答えろよ!!!ってあぁああ?!今なんつった?!」


「・・・・」


何かの聞き間違えじゃないか
そう思うルナは思わず叫んでしまった


「今なんつったんだよ!」


「はぁ・・・」


「ため息ついてんじゃねぇよ」


二度も言いたくもないと言うように
わざと深い大きなため息をつく

だが、ルナは真相が知りたく
しつこくレオンを問いただす


「聞き間違えじゃなければ俺のこと好きだと言ったか?」


「あぁ」


「嘘だ!」


「なんでそうなるんだ・・・」


思わず嘘だと言うルナに
レオンはやれやれとすれば

「うぉっ?!」

ルナはレオンに飛びついた


「まじでか?まじでか?!」


「なんでいきなり抱きつくんだ・・・」


「なぁ、まじなのか?」


「あぁ、おおまじだ」


あの男っぽいルナが
初めて女っぽく抱きつくものだからレオンは
それもまた新鮮で頬が赤く染まる

「なんで顔真っ赤なんだよレオン」


「いや・・・いつまで抱きついてるんだ、帰るぞ」


「へーい」



---END---



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