普通なら・・・
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「いいか?私はお前を簡単に殺そうと思えば殺せるんだ」


目の前に銃を突きつけられる女が一人
生存者と遭遇できたと安心してすぐにこの有様

ゾンビに食い殺されるか、それともこの目の前の男に殺されるか・・・
女は歯を食いしばり目の前の男を睨む


「私が普通の生存者でなはなく残念だったな」


「私が一体何したと・・・」


「私の大事な情報がはいったSDを踏んづけたからだろうが」


「え?」


状況をまったく理解できていなかった女は
その男が所持していたSDカードを踏んづけて壊してしまったのだ


「それは・・・ごめんなさいっ・・・知らなくて」


「どうにも復元できないようじゃどうしようもないな」


許すつもりは毛頭ないのか男は引き金を引く
ガチャリと音が鳴り女は覚悟を決め目を固く瞑る
すると


ガタァアンッ・・・

ものすごい音がし振り向けば
車のドアが男と女のあいだを飛んできた


「ハンターか・・・命拾いしたな・・・しかし相手がハンターじゃもう会うこともないだろうな」


「まって・・・名前だけでも」


「知ってどうする、まぁいいだろうニコライだ」


「私はルナです」


名前を伝えたと同時にニコライの姿はもうなかった
ルナはとにかくそのハンターが来る前に逃げようと
ニコライの向かった先へとすすむ


「もう・・・夜中の2時か・・・本当なら寝ていたのに」


散々だわっとぼやきながら
後ろからペタペタという音から逃げている
おそらくそのハンターの足音だろう


すると


バンッ・・・バンッ・・・


何発かの銃声がルナの耳に入る
音のした方へルナは向かえばそこには

黒いコートをきて歯茎むき出しの巨体、そうネメシスに襲われている
ニコライの姿であった。
ネメシスに殴られ口から血を吐き出すニコライ

「あ・・・」


しかし、一般市民のルナは
自分には、どうすることもできない相手だと
わかるや否や、その場から離れようとする

だが、あのままほっておけば
ニコライは死ぬ・・・そう思うとルナの胸はズキズキと痛みだす


後ろから迫り来るハンターなど
気にも止めずルナはニコライのいる場所へと
走りだす


「ニコライさん!!!!」


「ルナ?・・・なぜ来た!」


近づくとニコライも気づいたのか
怪我を負った場所を手で覆いながらルナを睨む
だが、ルナはそんなことを気に止めず

ニコライの腰につけてあった手榴弾を
こちらに向かってくるネメシスにむけて放り投げる


「それは・・・スモークだ・・・」


「え?!・・・ゴホッ・・・ゴホッ」



爆発しず煙だけがモクモクとたち
視界が絶たれ、直に口に煙を吸い込み
ルナはむせ返った


「とりあえず、逃げろ」


「ニコライさんもでしょ・・・SDカード壊したお詫びです・・・」


重たいニコライの体を持ち上げ
肩に腕を回してネメシスから逃げる


ネメシスも視界がやられているのか
すぐには追ってこなかった



しばらくして、安全な場所に辿り着き
ニコライを地面に下ろす


「なぜ私を助ける」


「お詫びです・・・それと怪我してる・・・」


「私に殺されかけたのだぞ?」


「動かないで」


ショルダーらを取り外し
怪我をしている箇所を治療をしはじめるルナ
ニコライの質問には答えず黙々と包帯をまいていく

そんなルナの姿にニコライは
不思議な気持ちが芽生えた


「・・・・」


「よし、これでOK」


「すまないな・・・」


「SDカードにはいった情報なんですけど・・・大事な部分は残ってます・・・復元できるかと・・・」


ルナの手には壊れたSDカードがあった
チップの部分はまだ綺麗でうまくいけばデータが復元できるかもしれないという
ルナの手をギュっと握り始めるニコライ
そんな行動に驚いたルナは首をかしげる


「なぜ・・・そこまで私に・・・」


「お詫びで・・・・・んっ・・・」


不意に口をニコライの唇によって塞がれ
ルナは目を大きく開かせた


「すまない・・・私はお前に・・・ルナに惚れてしまった」


話がすっとび、ルナは少し困惑していたが
スッとルナは微笑身を返せばニコライも自然と笑みがこぼれる


「おかしな人ですよね」


「昔から変わり者でな」


クスクスと笑いながらニコライとルナは
手を握り再び口づけを交わす




---END---






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