こんな恋愛はないと思うんだが・・・
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「スペクターのことが好きでした!」


昼下がりの出来事だった
俺の目の前で告白をする女、深々と頭を下げている
だけど俺はコイツを知らない



「悪いが、知らない奴とは付き合えない」


「・・・そうですよ・・・ね」


切なげに言う女の顔は
悲しみに満ちていた、当たり前か・・・


フラレたんだからな
だが、疑問に思うのだ

なぜコイツは俺のことを知っていて
俺が知らないか・・・
一目惚れか?


まぁどうだっていい話だ
知らない奴と付き合う気がないのは事実だからな


「私・・・思い出してくれるまで・・・諦めませんから」


それだけ言って女は去っていった

まて・・・思い出すまで?
ということは俺は以前にコイツと出会っていたということか?

俺が人を忘れると?
いやいや、きっとアイツが人間違いをしているだけだ・・・


パっとしない出来事に俺は
しばらく仕事がままならず、凡ミス続きだ
ルポには怒られる、ベクターにはらしくないと言われる始末だ


俺がアイツを知っている?
一体・・・・



仕事が終わり俺は自室に戻ろうと
廊下を歩くとまた昼にみた女がいた


「まだ帰っていなかったのか」


「スペクターさん・・・私を本当に覚えてませんか?」


「覚えがない、いつ出会ったというんだ」


こんな顔も知らない
やはりコイツの記憶違いだ


「3年前にあなたに助けられました・・・」


三年前?そんなことあったか?
3年前といえば・・・まさか人質事件の


「まさか・・・」


いやまて、その女は一般市民だったはずだ
こんなアンブレラにいるはずが・・・


「あなたがここに居ると知り、アンブレラに入ったのです・・・まともにお礼も言えてませんでしたが・・・」


「なぜ俺のために?」


「一目惚れです・・・あんな紛争地で人質事件なんてどこもまともに取り合ってくれませんし・・・あなただけだったのです」


「あれは、任務上必要なサンプルがあったからだ、偶然にすぎん」


ほかにもベクターやベルトウェイがいた
だがなぜよりによって俺なんだ・・・だがこの女は
見た目も美人だし性格も良さそうだ俺じゃなくてもいいはずだ


「でも、私はずっとあなたを・・・探してここまできたんです」


「・・・・なぜ俺にこだわる、お前みたいな美人は他の男でもいいだろう」


「私はスペクターさんじゃなきゃいやなんです!」


ますます女というものがわからない
だが、俺を求めてここまでくるというのは
本気なのだろう・・・



「お友達からでも、構いません・・・」


まっすぐな瞳に見つめられる
こんな気持ちは初めてだ、こんな事
ありえるのだろうか・・・




「そこまで言うなら・・・傍においてやる」



「本当ですか?!ありがとうございます!!」


「だが、一つだけ聞いておく、名前ななんだ」


「ルナです!」


まだ、好きという気持ちにはたどり着いてはいない
だが、悪くないと思うのはどういうことだろうか

こんな恋愛、普通ないと思うがな・・・
まぁ、ウルフパックにいる以上普通ではないがな・・・



---END---


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