冷静ではいられない
bookmark


「なぁ、ルナは誰が好きなんだ?」

「え?!」

コーヒーを飲んで一息しているルナに
唐突に好きな人はいるのか?と聞いてくる人物はというと
ウルフパックのフォーアイズだった。


「あまりルナの素性というのがわからないんだ」


「は・・・はぁ・・・」


「まずは親しみやすい会話からだと思ってふったんだが・・」


どうやら彼女にとってこの話題はそういうものだと思っているらしい・・・
ウルフパックと仕事するのは割と少なく、あまり交流がない


「私は別に好きな人というのは・・・」


「いないのか?」


「いないっていうかー・・・」


好きな人はいる、だけど言ったら笑われる
そう思うと自然と恥ずかしさがこみ上げてきて・・・



「ん?顔が赤いぞ?」



「へぇ?!・・・え?!」



「その反応は居るとみてとれる・・・誰だ?」



グイっとフォーアイズがルナに詰め寄り
興味をもつように目を輝かせている

彼女にとって恋など興味はないものだと
そう思ってたルナ
だが、目の前の彼女は興味津々である・・・
はたまた、これもまた実験という項目にはいっているのだろうか?


「何いつまでたむろしている・・・」


「アルファリーダー・・・」


二人の前に現れたのは
今任務から帰還してきたアルファチームのハンクであった

「・・・・隊長、お疲れ様です」


「あぁ・・・・」

ルナは頬を赤く染めるなりねぎらいの言葉をつぶやけば
短く返事をするハンク

その様子をみていたフォーアイズが


「なんだ、ルナはアルファリーダーが好きだったのか!」

「「!?」」

ポンっと手を叩き大声で言うフォーアイズに二人の肩がびくついた

「ちょ・・・ちょっと!」

「え?違うのか?顔真っ赤じゃないか」

「フォーアイズ!」


慌てて弁解をしようとするルナは
フォーアイズを叱る
だが本人は面白そうにルナの弁解を聞いているだけだ


ハンクはというと・・・


「・・・・・・」


「なんだ、アルファーリーダーコーヒーこぼれまくってるぞ?」

あの死神と呼ばれた男も
所詮人の子、動揺が隠せずコーヒーを溢れさせていた


「大丈夫ですか?」


「どうということはない・・・私としたことが・・・」


「ほぉ・・・そういうことか!じゃぁ私はお邪魔なので去るとしよう」


二人の思いを知ったフォーアイズは
待機室を後にする


「・・・・」


「・・・・」


それからというものの、沈黙だけが続く
二人ともどこかよそよそしい


(どうしよう・・・とてもじゃないけど・・・)


「ルナ・・・」


「は、はい!(あぁ・・・もう・・・こわい)」


心臓がやかましくて
呼ばれたことに用が気になりはじめてルナは冷静ではいられない


「さっきのだが・・・」


「え?!あ・・・あれはフォーアイズがっ」


「・・・落ち着け。ルナの気持ちが知りたい・・・私はお前のことが好きだ・・・」


思わない展開に頭がついていけないルナ
今なんていった?!今なんていった?!そんな言葉だけが
頭の中をめぐる

「いま・・・なんて?」


「2度も言わせる気か?」


「うっ・・・・私も・・・その・・・」


鋭い目つきがルナを写す
もう思いはバレてしまったのに、恥ずかしさが上回って
言葉にできないでいる

ハンクは黙ってルナの答えを待つ


「私も・・・隊長が・・・好きです・・・」


「そうか・・・安心した」


そういってハンクは立ち上がり
ルナを抱きしめる


「たい・・・・ちょ・・・」


「ハンクでいい」


「ハンク・・・」


目と目があい
そのまま唇を重ね合う二人・・・

「ずっと、お前を守ってやるからな」

「Yes,Master」

その一部始終を影からこっそりみていたものが約一名・・・。

---END---




prev|next

[戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -