ボクは怖いのが苦手、君はボクが苦手
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「あーもう、なんて情けない男!」


「ダメなんだ・・・そういうのだけは!」


真っ暗な部屋でホラー映画を楽しむ男女
しかし、ホラーが苦手な男フィンは肩をカタカタと
震わせながらルナにしがみつく

そんな情けないフィンに
呆れた表情をうかべるルナ


「作り物なんだし、いちいち怖がるなー!それでもBSAAの隊員なの?」


「それとこれとは・・・関係ないだろ?」


DVDのケースでフィンの頭をペシっと叩くと
涙を浮かべるフィン
そんなフィンを見るといたたまれなくなるルナ
なんだかんだそういうフィンに弱いのである


「まぁ、いいわ・・・人には苦手っていうのはあるからねっ」


そういうとさっきまでべそかいていた
フィンはどこへやら、笑顔に変わっていた
そんな様子に呆れてため息すらでない


「ルナは苦手なものあるの?」


「え?・・・そうね、強いていえばあなたね」


「え?!ボク?!・・・それは気づかなかった・・・ごめん」


驚きながらショックがでかいのか
またシュンと落ち込みソファに力なく座るフィン

ルナは肩を落とし苦笑いを浮かべると


「そういうのじゃなくて、フィンの悲しむ顔だとかそういうのに弱いの」


「な・・・なるほど・・・」


「本当気弱なんだから」


このこのーっとフィンのおでこを小突いてやる


「まぁ、あなたは小さい頃からそうなんだけどねー」


「いつも泣かせてたんじゃないかぁー!」


指をさし少し強気にでるフィン
そんなフィンがおかしくて声をあげて
笑えば、面白くなさそうにムスっとする


「こんな幼馴染がいること自体不思議だけどね」


「幼馴染かぁ・・・そうだなぁ、ずっとこの関係だもんなぁ」


「なに、いい加減離れたいって?」


「そういうんじゃないよ」


思い返せば、幼馴染で何をするにもいつも一緒で
よくこうしてお互いの家へと遊びに行くだけの仲

フィンにとってルナは大切な人でもある
想いを伝えれば関係が崩れるかもしれないと思い
中々思いを告げないまま、こうしてだらだらと月日だけは経っていく


「今まで怖くて言えなかったけど」


「ん?どうしたの?」


「これだけはしっかりと男を見せたいんだ」


「え?どうしたのよ急に」

いつになく真剣な眼差しをむけるフィンに
ルナは不思議そうになんともいえない表情で視線をむける


「ルナのことが好きだ!」


「それ・・・ほんと?」


「本当だ!ボクが今まで嘘ついたことある?」


フィンの口からそんな言葉がでるとは
思っていなかったのかルナは驚きの表情を浮かべていた

フィンは嘘をつくはずもないし
真面目な性格だとルナはよく知っている


「ありがとう、私もずっとフィンが好きだよ」


「嬉しいなっ・・・ははっ、こんなに嬉しいの初めてだ!」


「ほらほら、落ち着きなって」


まるで子供のようにはしゃぐフィンに
子供をあやす母親のようにフィンを落ち着かせようと
服を掴むルナ



「いままでルナに守られてばっかだったけど、次は僕の番だからね」


「頼りにしてるよBSAAルーキー君」




---END---



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