嘘に隠された真実V
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あれから数年たって
ニコライと私はついに結婚して一人の子供を授かった。
とてもとても可愛くて・・・


だけど・・・義兄さんったら・・・


「あーーー!!!もうなんで黙って結婚したんだ!」


「だって、お兄さん・・・反対するから」


「当たり前だろ?!大事な妹があんな白髪のくそったれと結婚なんて許せない」


相変わらず私のお兄さんは
ニコライを許せないみたい、まぁあんなことがあれば
無理もないけど・・・


「んで?今度は子供ができたって?」


「うん!すごく可愛いよ!」


「あああああ!!とことん許せん奴だ!」


疲れないのかな?あんなにプンスカ怒っちゃって
でも、親が亡くなってからずっと面倒みてくれていたわけだし
親の代わりに可愛がってくれていたから
なんだかとても嬉しい


本当はニコライともうまくやってほしいのは
私の本音だけど


「騒がしいぞ、ここは病院だ」


「ニーコーラーイー!」


「ほらほら、お兄さん、赤ちゃんが起きちゃう」


ニコライが子供をつれて
こちらに歩んで来るとお兄さんは
ものすごい形相になってニコライを睨むと犬のように
喉でうなっている


「ふふん、俺とルナの子供だ、どうだ可愛いだろ?」


「顔はルナ似だな・・・お前にはこれっぽちも似てねぇなぁ〜」


「大きくなれば俺にも似てくるはずだ」


「はーん?お前みたいな白髪にはなりたかないって希望が赤ん坊にもあるようだな」


「なんだと、小僧」


本当、火に油。
そんな二人が仲良くできる方法はないのかしら・・・
いがみ合うこの二人を見て育たなきゃいいけど・・・



「つか、なんでお前らはどんな出会いでこういう経緯になったんだ?」


「それはだな、俺のひとめぼれがキッカケさ、こんなか弱い女の子が兵士だとは思ってなかった」


そうね、確かにニコライが私に声をかけてきたんだったっけ
何度か会ってるうちに


「5回目のデートの日だ、ルナがベロンベロンに酔っててな」


「まさかルナにキスされたのか?こいつ酔うと見境なくキスするからな」


「あぁ、そうさ俺にチュッチュと何度も何度もキスしてきたのさ。俺も我慢できなくてそのままお持ち帰りさ」


「きさまぁああああ!!!!!!!」


ガバっとお兄さんがニコライの胸ぐらを掴んで怒鳴りあげると


「う・・・うぅ・・・うぇええええええええんっ!!!!」


ベビーカーに乗ってた子供が起きて
泣き出してしまった・・・慌てて慰めると
先ほどまで怒鳴り散らかしてたお兄さんは黙って
掴んでいた胸ぐらを離す


「・・・もう、ここまできたらどうすることもできねぇし、認めざるを得ない・・・」


「お兄さん、私は感謝してるよ??」


「なんで・・・」


「大事にしてくれてるんだなーって実感するし、お父さんみたい」


本当に感謝してる
ニコライとぶつかってばっかだけど、
大事にしてくれているからこそ、「お前にうちの娘はやらん」と
よくドラマで観るような光景が

今目の前で起きている。
私には一生そんなことが訪れないと
ずっと思っていたから



「・・・・お前が幸せならそれでいい・・・」


「何、父親みてぇなこと言ってんだ」


「いいか?俺の妹だ、きょうから貴様は俺の弟となるんだ、なんでも言う事聞けよ?」


「なに?!」


ただでは死なない。
まるでそう言ってるみたい、まぁお兄さんがこんなことで
へこたれたり負けたりしないものね。


「ルナを幸せにするんだろ?俺の幸せはルナの幸せだ!」


「貴様、それは正気か?!」


「ニコライ、お兄さんの言う事聞かないとキスしてあげないよ〜〜」


「ルナまで!」


ふふ、悪ノリしちゃった
でも、本当に幸せだもの



ニコライ、お兄さんとうまくやっていってね



---END---



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