いつの間にかあなたで埋め尽くされてた
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「絶対に振り向きませんからね」


「言ってればいい、必ずお前はオレに惹かれる」


指を指して目の前の男にきっぱりと
応える女・ルナ
そして得意げに言う男はハンク

ここまでの経緯は
ハンクの一目惚れがきっかけだ

「いいですか、私はあなたのようなタイプは嫌いなんです!」


「どこが気に食わない」


「あなたの評判は聞いています、冷徹で仲間は見殺し。そんな男を好きになるはずがない」


なるほど・・・そう納得をするハンクは
今までの自分では振り向いてもらえない
そう理解し、今後の仲間への振る舞いを脳内で考えていると


「それにあなたは任務第一、恋愛なんて症に合いません」


「それは自分が一番驚いている、だからこそ手に入れたい」


「あなたって人は、本当に・・・ほとほと呆れるわ」


深くため息をつき、ハンクを睨むように目を向ければ
親指と人差し指に顎をつけ、色々考えている



「まぁいい、いずれお前は俺に惹かれる」


「どこからそんな自信が・・・」


「任務も失敗したことはない」


「それとどういう関係が・・・」


本日2度目のため息
この男をどう諦めさせるか考えることでいっぱいなルナ


「毎日毎日、わたしに構いにきて暇なんですか?」


「毎日ルナの顔と声を聞いていたいんだ」


「・・・」


毎日顔をあわせにくるほど暇なのかと
誰もが思うであろう。
ハンクはそれだけルナに本気なのだ

「あぁ、そうだ・・・やけどはもう大丈夫なのか?」


「え・・?あぁ、まぁ水ぶくれで済みました」


「水ぶくれ?それは大変だ、なんとかしないと」


「やっ・・・ちょ・・・ちょっと」


先日、挽きたてのコーヒーをこぼし
腕をやけどを負ったルナの腕をひっぱり
包帯をとれば、水ぶくれができていた


「ほっときすぎだ、適度に包帯などの交換しないといけない」


「・・・・」


「ちょっと待ってろ、塗り薬持ってる」


ガサゴソとポーチを漁るハンク
すると軟膏を取り出し、ルナの腕に塗り始める

少し傷口に染みて顔をひきつかせれば


「すまない、だが少し我慢しろ」


「・・・・どうしてここまでするのよ」


「好きな女が怪我してるのを黙って見過ごせるはずがない」


そう言いながら傷口に軟膏を塗り続け
ガーゼと包帯を新しく巻きつけてやれば


「よし、これで大丈夫だ、毎日変えるんだぞ」


「・・・・ありがと」


腕を離し、ルナはそっとその包帯をした
腕に手を添えると


「ハンクの言うとおりかも」


「ん?」


「私なんだかんだあなたでいっぱい・・・どうやって諦めてもらえるかとか・・・」


ぽつりぽつりと
自分の想いを打ち明けるルナ

ハンクはニヤけるのを我慢し
真剣な眼差しでルナの話を聞いている


「そんなことばかりだったけど・・・気づけば頭の中はあなたでいっぱい」


「つまり、俺のことを?」


「惹かれているのかもね・・・今気づいた」


「言ったとおりだ、ルナ愛してる」


愛してると言葉を発すると同時に
ルナを抱き寄せ触れるだけのキスをする


「ハンク・・・」


「これから幸せにできるように努力する」


「あんたのことあんなに嫌っていたのにね・・・」


「言うだろ?嫌よ嫌よも好きのうちってな」





---END---


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