ずるい人
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冬といえば、人肌が恋しい時期
好きな人に抱きしめられて温められたいと思うのは
いけないことなのだろうか?


「はぁ・・・寒いなぁ」



「そんな格好では、寒いのは当然だな」


皮肉にもハンクは優しい性格ではなくて
抱きしめてくれるとか、ブランケットをとってくれるとか
そういうことを一切しない


大事にされてない・・・そう思うと
涙がこぼれ落ちそう・・・みじめだから
そんなことしないけど


「ルナ冬はズボンにセーターでも着ておけ」


「うぅ・・・」


「スカートなんてもん履くぐらいなら文句たれるな」


ごもっともです。ごもっともすぎて何も言えやしない
ファッションにこだわるためには寒さは我慢しなくちゃいけない

好きでこの格好をしていて
寒い寒いというのは筋違い


でもやっぱり・・・・


「ざむぃぃいい」



「うるさい」


仮にもあなたはわたしの彼氏でしょ?!
と思うけど・・・それを承知で
付き合っているんだ・・・しょうがない・・・


本当はどこにでもいるような
カップルみたいにイチャイチャしたいし
抱きしめられたい


普通・・・そう思うんじゃない?


「私たちってさ・・・付き合っているんだよね?」



「そのはずだが?」



「まるで他人事のようね・・・」


こちらを見ないで本を読むハンクに
腹が立つ、自分だけが思い上がってる
そう感じてやまなくて


恋人らしいことをしたい
そう思うことは我が儘?


だんだん辛くなって
この部屋からでたくて立ち上がる


すると


「・・・・急になんなのよ」



「意地悪しすぎたな、怒るお前の顔が愛らしくてつい」


後ろからガバっと抱きつかれ
耳元にチュっとリップ音を立ててキスするハンクに


「・・・・ずるい」


「何がだ?」


「・・・・意地悪しないで」


不覚にもときめいてしまい、口元が緩んでしまう
私はとことん彼に弱い・・・


「しかし、寒いといいながらもスカートを履くとは・・・」


「だって・・・ファッションだもん」


「俺を誘っているとしか思えないな」


「ハンクのえっち」







---END---


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