誰もあなたを責めたりしないから
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クリスと付き合いだしてかれこれ3ヶ月
BSAAの任務は常に過酷で多忙

会える時間などほとんどない
私はただの一般人でクリスに助けられたことがキッカケで
恋に発展し色々あって恋人に


「クリス・・・」


切なくなるとつい
紅茶を飲みたくなる、実は私コーヒー派
紅茶は落ち着く


今回はダージリンを淹れてみた
うん・・・にがい

コンコン・・・

そんな時に誰か来訪者のようです・・・
空気のよめないお客さんだこと・・・



ドアを開けるとBSAAの制服をきて
ストールを巻いてる男性だった


「ルナさんですね、隊長のことで一つ二つお伺いしたいことがありまして」

淡々としゃべるこの男性は
どうやらクリスについて知りたいようです


「クリスがなにか・・・?」


「行方がありません、その上連絡も一切届かない状態です」


「え・・・」


思わない一言に私は硬直する
任務で居ない・・・そう思っていたから
行方をくらましてくることなど私は知らなかった


「隊長の恋人と聞いてお伺いしに・・・隊長が行きそうな場所の心当たりは?」

こっちが聞きたい
そう思った・・・なぜクリスが行方を眩ます必要が?
私には何も言わないで?言えないこと?
極秘任務?

とにかく頭が真っ白になりかけのこの頭で
色々行きそうな場所を探し始める



「クリスは・・・・何か悲しいことがあればバーに行ってお酒を飲んでます・・・ですがどこのバーなのか・・・いるのかわかりません」


そこに居るのかさえわからない
悲しいこと・・・?そう考えるとわたしが絡んでる?
それとも・・・あの時に言ってた部下が・・・?


「ありがとうございます。そこまでわかれば絞れます。ご協力ありがとうございます」

そう言ってパタンと扉が閉まる
そのあと玄関でへなへなと尻餅をついて
泣きそうになる目をこする


「クリス・・・」


携帯を取り出し電話をかけてみる
だけど、すぐに留守電になり伝言ものこしておく


彼にいったい何があったのだろうか
私にも言えないなにか?


夜になりひとりで食事をとり
ベッドへもぐりこむと


コンコン


きょうはお客様が多い・・・
眠い目をこすりながら玄関にむかうと


「ルナ」

聞きなれた声が聞こえ眠たかったのが
いっきに覚める


「クリス?!」

ガチャっと開ければお酒でくたくたになっている
恋人クリスが立っていた
すぐに中に入れ、イスに座らせ水を渡せば
グイグイと一気に飲み干す


「すまなかった・・・」


「・・・・」


「あいつらにも言われたさ・・・大事な人を悲しませるなって」


「え?」


あいつらというのはお昼頃に来たあの男性たちなのだろうか?
クリスは顔をあげ悲しげな目で訴える


「すまなかった・・・任務もとうの前に終わっていたのに・・・」


「いいよ・・・」


「合わす顔なんてなかった・・・」


切なげな顔をされて言われてしまえば
怒る気にも泣く気にもなれなかった・・・クリスだって
悩んでて辛い時だってあるんだから・・・


「大丈夫・・・私は平気だから、今だって何食わない気持ちで平然と寝ようとしてたから」


嘘・・・本当は辛い・・・だけど
クリスにくらべてはうんと楽だ・・・辛いのだって我慢できる


「・・・嘘が下手だな、本音を言えばいい」


「大丈夫、私の悩みなんて小さいもんだから。クリスが辛い顔してるほうが私は辛い」


「すまない・・・ルナ」


らしくない・・・一言で言えばそう
クリスはいつも真面目でまっすぐな人
そんなクリスが悩むほど辛いのだから私がしっかりしなきゃ
支えてあげなきゃ・・・そう心から思ってる


そして色々と話を聞いた
仲間を失ったのが一番の心の傷みたい。大体は予想がついてた
そして私に全然会いにいけなかったことも

「大丈夫、亡くなられた仲間たちもきっと明るいクリスでいてほしいってそう思ってるよ」


「・・・そうなのか・・・な」


「そうだよ!クリスだもん。みんなに慕われてたんだから間違いないよ」


そう言って元気づければクリスがはじめて笑ってくれた
その笑顔に嘘偽りなくて、私は安心した

「みんなのために頑張ってバイオテロ阻止しよ?私も応援してる」


「あぁ、ありがとうな・・・ルナ」


「その人たちの分も生きて阻止しないと呪われちゃうよ〜〜」


「冗談よせよ・・・恐ろしい」


すると再び笑うクリス。
もう迷いも悩みもない、そんな気がして

私にも彼のために何かできたことがとても嬉しかった
やっぱクリスが元気で明るくないと


「ルナ・・・お前のおかげだ・・・愛してる」


「ふふ、私も愛してるよ」


「明日は休みだ、朝まで付き合ってもらおう」


「あら、やだ」


きっと明るい未来が待ってる
そう信じることにしてみたの


---END---



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