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「気絶してるだけ・・・か」


約一名だけ、気を失ってるだけの兵士がいた
名札を確認するとその人物がハンクだと知る


「・・・やっぱり・・・ね」


チュウチュウ...

「ねずみ・・・」

ネズミたちがこぼれたサンプルを飲み始めていることに気づき
すぐにここを去らなくてはいけないと
察したルナは


倒れているハンクを担ぎ
その場から離れようとする


はしごを登っていきたいが
男を担いで登るのがキツイ・・・

ロープを腰にまきつけ
ゆっくりとはしごを登る


「う・・・ふ・・・・重い・・・重い・・・」


なんとか登りきってハンクを体からはがす
それでも一向に目を覚まさないハンクに苛立ちを覚え


「何が死神だよ・・・さっさと起きろボケ」


だんだん腹が立って
ハンクの腰をゲシっと蹴り飛ばす

「うっ・・・・」


「お・・・気づく?」


一瞬声がし寝転ぶハンクの元へと
近寄ると


「お前は・・・」


「私は先ほど捕まってました女ですルナといいます」


「お前だけ無事だったわけか?」


痛むところをかばいながら
起き上がるハンク

「なんとか・・・かな?ここまで運ぶの大変だったんだから・・・」


「私をここまで運んだ・・?」


「気を失ってたし、危なかったからね」


「それはすまなかったな」

わけもわからずトリップして
いきなり目覚めれば研究室、一息する間もなく
こんな目にあうルナは「厄日」だと感じていたが


「いいえ、まぁ私がこんなことしなくてもあなたは運よく生き延びれますけどね」


「それはどういう意味だ」


「話す間もなかったけど、私はトリップしてきたみたいなんです。」


トリップ・・・という意味がわからないのか
小首をかしげる目の前の男・・・


「あなたがいる世界は私の世界ではゲームなんですよ!実際私の世界じゃウィルスだとか生物災害とかありえませんから!」


「・・・」


「それに、こんな野蛮な場所にワンピースでいる人間がどこにいますか!不自然極まりない」


少し納得したのだろうか
うんうんとうなずいてくれている

だが、全部を信じきってるわけではなさそう

「まぁ、どうであれここは危険だ」


「私いっておきますけど、銃とか持ったこともないので守ってください」


「・・・ここは戦場だ、自分の身は自分でも守るのが鉄則」


「あのですね・・・私は軍人でもなきゃ銃を使える一般人ではないの!」


「・・・仕方が無い、私から離れるなよ!」


しょうがないと
ハンクは私の腕をとり、前へと突き進む

こんなこと私のいる世界では体験することもない
不思議なことにハンクの背中が頼もしく思えた・・・
むしろときめきを感じる


数々のゾンビやハンターなどを
ハンクは簡単に片付けていく


「・・・・えぐい・・・」


正直いってゲームとは比べ物にならないぐらい
リアルで・・・
見ていると吐き気がする・・・


見ないように目を瞑っていたら
急に立ち止まるハンクの背中にぶつかる


「あ、痛−−−」


「しずかにしろ・・・」


ハンクの肩越しから覗けば
背格好のでかくコートを着たスキンヘッドの男が

ドン、ドンという足音を立てながら
歩いているのを目にする


「タイラント・・・」


「知っているのか?」


「もちろん・・・」


あの強烈なパンチなど食らえば
私の骨など簡単に逝ってしまう・・・


さすがのハンクも手を出そうとはしない・・・
だが進行方向に居る以上排除するほかにはない・・・


「ルナ・・・・あそこの箱までいけるか?」


「え・・・」


「たどり着いたら即隠れておけ」


ハンクはマグナムを所持し
今のうちにと指示を出し私はそのまま箱に走る


タイラントは私に気づき追いかけてくる

「いやぁーーーー」

思った以上に足が早いっ
このままじゃ追いつかれる!

そう思った矢先に
パァン!・・・とマグナムを撃つ音が聞こえ
タイラントはハンクにむかって

ダッシュ・・・

「おぉ・・・怖い」

箱の中に潜り
隙間からその様子をみている

「ぐぁっ・・」


すると、ハンクの頭を一掴み・・・

「・・・やばいじゃん・・・ダメじゃん・・・」


このままではヘルメットごと頭グシャ・・・
想像するだけで鳥肌・・・

どうすれば助けられるのだろう・・・
キョロキョロして目にしたのは花瓶・・・


「これでも喰らえぇ!!!!」


花瓶をおもいっきり顔面にむけて投げる
かすってしまったものの壁にあたった衝撃で
破片が飛び散る

顔に破片がささった痛みに
ハンクを離す


その隙に木の棒や石を投げ飛ばす
ハンクは体制を整えすぐさまマグナムを顔面に数発撃てば
タイラントは倒れた


「・・・・はぁ・・・はぁ・・・・」


「なんとかなったな。。。」


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