私だけのヒーロー
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「ピアーズは今日も頑張ってるのかなぁ?」

独り言をつぶやきながら
夕飯をつくる女性はルナ、ピアーズの恋人でもある

グツグツと煮込んでる間に
和物を作る作業をしている最中に電話がなる


「もしもし?」

「すまん、帰るのが遅くなる」


「そっか・・・頑張ってね応援してる」


「ありがとう」

意気込んで作った
肉じゃがなどが無駄になるかと思うと
やるせない気持ちと仕事柄しょうがないという複雑な
心境におそわれるルナ


「帰ってきたら温め直さないと・・・」


とは言いつつも、一人で食べる寂しさがあり
和え物を作る動作がついつい止まってしまう

****


「いただきます・・・」

当然ピアーズは仕事から帰宅が遅れる為
一人で食事をとることになる

せっかく作った肉じゃがも和え物も
おいしくないようにも感じて
徐々に涙がうかんで味はしょっぱいものに
かわっていく


「・・・しょうがないのに・・・」


分かっているはずなのに・・・
そう思っていても気持ちはその反対へといってしまうことに
腹を立たせるルナ


気持ちを少し落ち着かせるために
ソファでテレビをつけ、何も考えないように
テレビに集中していけば・・・


気づいたらルナはそのまま
眠りについてしまった


****


「ただいま」


「・・・・」


「・・・ルナ?」


PM10:30頃ようやく帰宅できたピアーズ
玄関をあけ、ただいまを告げるも返事はなく
もう寝てしまったのか?と疑問に思いながら

リビングへ足をはこぶと
ソファで涙を流しながら寝てるルナを見つけ


「・・・泣いていたのか・・・」


起こさないようにルナに掛け布団をかけながら
やさしく頬をなでると


「・・・ん・・・」


起きたかと思い一瞬手を離したが
すぐ眠ってしまったのでまた撫でてやる


「すまなかった・・・今日は夕飯を作りにくる約束してたもんな・・・」


「ピアーズ・・・?・・・かえってたの?」


すると、ルナは気づいたのか
寝ぼけ眼でピアーズの顔を確認していると

そんな姿が愛おしく感じたピアーズは
触れるだけのキスをして


「ごめんな。早く帰ってくるつもりだったのに」


「ううん、大丈夫だよ?」


「お腹減ったからルナの料理を食べたいな」


「あ、あっためなおすね!ちょっとまってね!」


そう言って、台所へ向かうルナ
その姿を見ながらリビングへ移動すると


「今日は肉じゃがと和え物だよ!」


「おぉ、それは嬉しいな」


嬉しそうに話しかけてくれるルナに
ピアーズは嬉しくなり、早く食べたいという気持ちが
高まり

あたためた肉じゃがたちがテーブルに並び

「うまそうだ!」


「お口にあうか不安だけど食べてみて!」


進められると同時に
口に運べば


「うっまい!ルナおいしいぞ!」


「ほんと?!わー嬉しいな!」


おいしくてお変わりを何度もしてしまい
あっという間に食べつくしてしまったピアーズに

「・・・作りすぎたかなって思ってたのに・・・全部なくなっちゃった」


「ルナの作ったやつは本当うますぎてとめらんなかった・・・」


苦笑いをこぼしつつも
食べてくれたことに嬉しくなったルナは
ピアーズに抱きついて


「今度また・・・つくりに来てもいい?」


「いや・・・むしろ毎日作ってくれ」


「え?じゃぁココに住んでも・・・?」


「あぁ、一緒に暮らそう」


思わない展開にルナは嬉しさのあまり
涙があふれだし

「お・・・おい・・・」


「うれ・・・し・・・よぉ・・・・」


「な・・・泣くなって」

おどおどしながら泣き止ませ
ルナにキスをすれば


「ピアーズ・・・大好き!」


「俺もルナが好きだ」


これから毎日ルナの手料理が食べられると思うと
毎日の辛い任務をこなせる気がしたピアーズさんでした


---END---








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