私だけを見て
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最近私以外の女性と仲良くしているベクター
正直恋人としてどうなの?と思う
いっそのこと別れる?

そっちのほうが
いいのかもしれない・・・
私みたいな男みたいな女より

あのオペレーターみたいな
綺麗な女性と付き合ってたほうがそりゃいいもんね・・・



「ルナどうした?そんな思いにふけって」


「ううん・・・別に何もない」


「そうか、ならいいが・・・何かあったらいつでも相談のるぞ」

リーダーのルポは優しい
本当の母親みたいに私たちに接してくれる
まぁ、私たちもいい年した大人なんだけど・・・


本当、どうしよう・・・
まだ2ヶ月しか付き合ってないなぁ・・・
キスもそれ以上のこともない・・・
むしろ・・・何もしてこない・・・

それどころか、どこかに行くとか
カップルらしいことはしてないなぁ・・・

会話も任務があるときだけだったり・・・
本当に付き合ってるって言えるのかなぁ・・・


「あの言葉は一体・・・なんだったんだろう・・・」


「何がだ?」


「?!」


ただのひとりごとだったつもりなのだけど
聞きなれた言葉が聞こえ振り返ると
そこにはベクターが仁王立ちしてこちらを見ていた

正確的には睨んで・・・る?


「お前に話があってここにきた」


黙って見つめていたら・・・
嫌な前フリに思考がめちゃくちゃになる


別れにきた・・・


そう言いにきたに違いない
自分で告白しておきながらそれはないでしょ・・・
そう言いたいところ

でもベクターの用事がわからない以上
下手には何も言えない
でも知りたくはない・・・複雑な心境


「話って・・・何?・・・・」



「お前は俺のことどう思ってるんだ?」



好きに決まってるじゃん・・・そう言えたら
どれだけ楽だろう・・・


「どういう・・・意味で?」


ほら、ため息だ
しかも、怒ってる感じがまた怖い・・・

「お前さ・・・俺と付き合ってるんだろ?好きなんじゃないのかよ」

それはこっちのセリフだよ

「わかった・・・俺たちは別れたほうがよさそうだな」


「・・・・」


全部こっちのセリフ
あなたはいつもいろんな女性と仲良く親しげでいて
私には何一つ笑顔をくれない

会話もしてくれない
好きだとも言ってくれない

どうして?どうして?

「じゃぁな・・・」

そうくるりと出口の方へ向き直し
てくてくと歩き出すベクターに


「ベクターこそ・・・いつもいつも違う女の人とばかりで・・・私のことなんて・・・」

歩いていた足を止めて
こちらを見ているのが分かる・・・
でも私はベクターと向き合って話すのが怖くて下を向いて
ありったけの思いを告げる


「私には・・・あんな笑顔もみせてくれないし・・・」


「でも、私なんかより・・・あの女の人のほうが絶対いいもんね・・・」


こんなこと言うつもりなんてなかったのに
悔しくてたまらないや・・・


噛み付くほどに・・・痛いほどに・・・
好きだったのは私だけなんだと


「ベクタ・・・・のこと・・・ずっと好きだったのに・・・・うっ・・・くっ」


「どうして・・・付き合おうなんて・・・言ったのよ・・・・」


涙が止まらない
辛くて辛くて、吐き気だってする・・・

それなのにベクターは何も言ってこない・・・
呆れられてしまったのだろうか。。。


「私なんかと・・・付き合わせて・・・ごめんな「それ以上言ったら怒るぞ」


「え・・・・」


ズルイ・・・そう思った
散々っぱら言わせておいて・・・抱きついてくるなんて・・・
ベクターの真意がまったくといってわからない



「俺が悪かった・・・かまってやれなくて・・・その上違う女としゃべって」


私の頭を撫でながら
謝罪の言葉を述べるベクターはどこか穏やかで


「俺も不安だったんだ・・・どうしたら喜ぶかもわからなくてな・・・色んな女に聞いて回ってたんだ・・・」


「え?」


「からかわれてばっかだったが・・・最近お前の様子もおかしくてな・・・嫌いになってしまったんじゃないかと不安だった・・・・」


相談していただなんてわかんなかった・・・
内容までは聞いていなかったけど・・・あんな笑顔私には
むけてはくれなかったから・・・・



「さっき聞いたとき、何も言わなかったから、もう駄目なんだと思った・・・悪かった」


「・・・」


「ルナ・・・俺はずっとお前だけを考えてきてた・・・それもお前も同じだってこと知った・・・嫌いにならないでくれ・・・」


やっぱこの人はずるい・・・
そんなこと言われたら・・・許しちゃうじゃない・・・・



「だったら・・・私だけを見て?私だけを愛して?笑顔をみせてよ」


「ルナの望みならお安いご用だな」

さっきまでの表情がまるで嘘のようで
今までみた笑顔より数倍輝いてみえた・・・

それに見とれていたら
目の前が暗くなって。。。唇に柔らかいものが触れたことがわかった・・・



「・・・やっぱ・・・ズルいや」


「何がだよ」


「なーんにも?」


「おい、教えろよ」


あの2ヶ月が嘘のようで
この先が楽しみです。


---END---








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