愛情表現の裏返し
bookmark


「ベクターの隣で寝ろっていうの?」


「冗談じゃない、なんでお前と!」


ルポに部屋とベッドが足りないと言われ
また、仲が悪いのを直すまではしばらくそしてもらう
そう告げられ、納得のいかない2人


「仕方がないだろ」


「そうだそうだ、一緒に寝て親睦でも深めたらどうだ?」

呆れて言うルポとは違い
二人をからかうベルトウェイは
ケラケラと笑っている


「なんで、こいつなのよ・・・」


「それはこっちのセリフだ!」


「なによ!」

「なんだよ!」

「お前たち!!!」

火花を飛ばしながら睨み合う二人に
いい加減にしてくれと言わんばかりに頭を抱え込む
ルポであった


****


「襲わないでよ」


「誰がお前を襲うかよ、色気もくそもねぇだろ」


「それってどういう意味よ!」


これから就寝だというのに
いがみ合う二人
まさに売り言葉に買い言葉だ


お互い喧嘩もし疲れ
気づかないうちに眠りにおちていった



****


ふと、ベクターは
体を覆う布団がないことに気づき目を開け
はだけた布団を取ろうと手を動かそうとしたが

手の平に柔らかいものが触れていることに気づく

「なんだ・・・?」


はじめはわけがわからず
確かめようと手をうごかせば


「んぅ・・・」


「?!」


動かした瞬間
離れて寝ていたルナの声が聞こえ
手を動かすのをやめた


「・・・・なぜルナの声が近い・・・」


不思議に思い目が暗闇に慣れるのを待つと
触れているものが何なのかが
おおよそ理解できた


「・・・・ちょっと・・・・まて」


下手に動かせば起きるかもしれない
そう思うと動かすのを躊躇い
硬直している


「なんでルナがここに・・・・」


「んぅ・・・・」


そんな一人で葛藤しているベクターを
知る良しもないルナは
ベクターのほうへ体を倒しはじめる

「ちょ・・・ま・・・・」


一人大パニックになりつつも
ベクターも男、誘惑に勝てず・・・


「・・・やわらかい・・・」


ついルナの胸を揉み始めてしまう
そんなことをしていると

「んん・・・・な・・・に?」


「げっ・・・・」


「ベク・・・ター?」


おきてしまったのかルナは
目をこすりながらベクターの居る方向へ顔を向ける


「ルナ・・・・その・・・・」


「・・・・・え・・・ちょ!どこ触ってるのよ!エッチ!!!」


「んげふっ!!!」


ルナも状況を理解でき
ベクターのほっぺを力いっぱい手のひらでビンタをかます

あまりの痛さに
悶絶していたら


「私を襲わないって言ってたのに、なんで私の隣にいて胸を触ってるのよ!」


「ちが・・・ちが・・・お前が目の前にいたんだよ!」


いまだに痛む頬をさすりながら
弁解しようと訴えるが
ルナは聞く耳を持ってくれずベクターを睨み付けている


「私じゃなくてあんたが!」


「まずは電気つけたら分かる・・・」



そういってベクターは
近くにあったスイッチで電気をつければ


「・・・・・・・・・・うそだぁ!!!」


「嘘じゃねぇよ!!」


真実を理解したルナは
信じられないとひざを突きながら頭を抱え込む


「うぅ・・・」


「寝相が悪かったのはお前のほうだ」


「でも完全に手動いてたじゃない・・・・」


「それは・・・俺だって一応男だ・・・・」


プイっとそっぽ向くベクターに
ルナはふつふつと怒りのボルテージはあがったものの


「私を・・・少しでも女だって思ってくれてただけでも不幸中の幸いね・・・」


「はぁ?」


「だって、お前みたいなのは女じゃないって・・・」


「・・・そんなわけねぇだろ」


お互い顔を赤くしてそっぽ向いていたが
ポリポリと頬を掻きはじめたベクターは
ルナのほうに体を近づけ


「その・・・なんだ・・・・」


「なに?」


「・・・・・・抱かせろ」



「へ?・・・・えええ?!」



ルナの返事など待たずルナを床に組み敷く
今までのルナならすぐに抵抗し反撃にでてくるのだが・・・

「反撃もしてこないってことは、いいってことだろ?」

耳元で囁き、ルナの首へ顔をうずめていった




---END---









prev|next

[戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -