舞われまわれ | ナノ







「えー、それじゃあこれは小人じゃないのー!!!!!!」
「なんか悪かったな。そういうわけだからこのビンの中に入れといてくれ」

ホルマジオはそういってビンを差し出してきた。
どうやら暗殺任務中に彼のターゲットが逃げ出しただけだったらしい。
ビンの中に入れる直前、念のためと彼はターゲットを彼のスタンド、リトルフィートで傷つけていた。
時間がたつと自動的に元のサイズに戻ってしまうらしい。

「私の一攫千金の夢が…」
「小人なんているわけねーだろおが」
「でも…本当に感動したんだもん」
小人が実在したことへの感動がさらさらと崩れ去っていく。

「…しょおがねえなあああ、後でなんか奢ってやるから。な?」
そういって頭をくしゃくしゃになでられた。
乱暴だけど彼にこうやって頭をなでられるのは嫌いじゃない。
自然に緩んでしまう口許を隠すように負け惜しみのようなことを口にする。
「…高いもの買わせてやる」
「うわ、マジかよ。ああそうだ、今頃親玉が失踪したって手下が騒いでるだろうから暫く裏通り歩くなよ」
「はーい、そういやターゲット放置してていいの?」

時間で戻っちゃうんじゃなかったっけ?
「それならもう、ほら」
「うわぁ、悪趣味…」
ターゲットは今まさに蜘蛛に頭からかじられようというところだった。





蜘蛛の食事が半分を終えた頃にホルマジオは任務完了の連絡を入れていた。

確かにもう死んでいる。