舞われまわれ | ナノ







「本当に特訓してるんだー、ムキムキになってない?」
「そういいながらなんで胸を触るのかな」
メローネの顎に一発食らわす。
「ベ、ベネ…前よりパンチが鋭い…」
「そう、ありがと」

それでも尚腰に手を這わせてくるメローネの顔に裏拳をお見舞いしたらメローネは動かなくなった。
これは本当に、中々の成果を挙げているようだ。
今度私が覚えるべきは仲間への手加減という奴かもしれない。
そんなことを考えつつ、動かなくなったメローネを放置して町へ繰り出した。




買出しが一通りすんだところで裏通りのお菓子屋さんを目指す。
そんな私の足元を何かが通った。
ねずみかなと目をやるとそこにはなんと、―小人がいた。
私は見て何かを訴えようとしているが、よく聞こえない。
しかし、これは小人に違いない。
いやきっと小人だから言葉が通じないんだ!

捕まえようと思ったときには既に捕まえていた。

「こ、小人取ったどぉー!!!!!!!!!!!」

私はいまや、小人を捕まえた最初の人類なのかもしれない!
感動だ、これをテレビ局に売ればお金持ちになれる!!
手の中でじたばたしている小人を握り締め、もがく小人を逃がさないようにしげしげ見つめる。
高そうなスーツに身を包んだ成金風の小人だ。
これなら身代金を要求してもいいかもと思ったが小人のお金が人間と共通とも思えないのでテレビ局に売ろうと決心する。

―ピリッ。
後ろから殺気を感じて頭で思うより先に、身体は脇に避けていた。
「ちっ!」
「なにすんのよ!!!」
よけた所をオレンジ色の人影が通過する、これはスタンド!?
スタンド使いの小人ハンターがいるということか。
しかしこの小人は私の一攫千金のチャンス、譲るわけには行かない!
精一杯の殺気を込めて振り返ると、そこには見知った顔がいた。
「ホルマジオ?」
「あれ、マキナかよ」