舞われまわれ | ナノ







「怖ぇえええ…」
「い、イルーゾォ…出てきてー…」

私の能力を説明するとイルーゾォは青い顔をして鏡の中に逃げてしまった。
「やべーよ、お前の能力!
俺の指導とか要らなくない?」
「いるいる!一度に複数の敵は相手に出来ないし、スタンドが相手に触れる位置まで近づけなきゃ無理なんだよ。」
スタンド相手では能力も利かないし、無機物だって壊せない。
中々に非力なスタンドだと自分では思っている。

「そういえば、お前の得物は?」
「うーん、銃も持ってるんだけどこれはお守りみたいなものなので…部屋にあったククリナイフ借りパクしてる」
「それ俺のじゃん」
「まじか」
「まじだ。使ってない奴だからいいけどよ、切れ味悪いんじゃね?」
「他の試したことないから分からない。
でもこの前の任務では力任せに押し込んだら気管まで刺さったよ?」
「痛い痛い痛い、俺そういう話聞くの苦手なんだよ」
「あんたそれでも暗殺者か」
「見るのもやるのもいいんだけど話だと自分で想像しちゃうじゃんか、あーなんか痛い!」
「ヘタレ」
「お前、それが人に物頼む態度かよ…どーせヘタレだよ…」
「ご、ごめん。あーもう、機嫌直してよー!!」

特訓を開始するまで、もう十数分。