舞われまわれ | ナノ







「チーム内で一番身のこなしがうまいのって誰かな?」
「体術か?」
「そうそう、やっぱリーダー?」
「だろうな。イルーゾォも止めは自分の手でやってるから心得はあるとは思うぜ」
「そっか。二人とも今いないね」

現在、リーダー、プロシュート、イルーゾォの三人が任務に出ている。
ソルベ、ジェラートとホルマジオは別件の下見に行くと、今しがた出て行ってしまった。

「体位なら俺にも教えられるんだけどねー」
「黙れメロン」
「なんかマキナが冷たい」
口を開けば下ネタのメローネが悪いのだ。

居残り組みの私、メローネ、ギアッチョは、リビングで絶賛ぐだぐだ中だ。

「そういえば私みんなの能力、あんまり知らないや」

ギアッチョは以前氷に関する能力というのを見たが他のメンバーはイルーゾォの鏡の能力しか知らない。
イルーゾォの能力だって何となくで、それが知っているといえるのかは微妙なところである。

「まぁそのうち嫌でもわかるだろ」
「そっか」
「ていうかマキナの能力も多分リゾットしか知らないんじゃない?」
「そういえば、話してないね。
でも二人のスタンドは止めまでしっかりさせるのか。いいなぁ」
「なんだ、お前のスタンド力弱いのか?」

読んでた雑誌から顔を上げ意外そうにギアッチョが聞いてくる。
そりゃ暗殺チームなのに止めさせないというのは中々滑稽かもしれない。

「能力が無機物には利かないし、相手が死ぬほどのショックを与えるのも意外に難しいから殺しには不向き。それにいっぺんにたくさんの相手できないし」
能力抜きの力は人間とそう変わらない。

「…なんかめんどくさそうだな。それで自分もそれなりに戦えなきゃ駄目って事か」
「うん。二人が帰ってきたら聞いてみよう」
「マキナー、特訓がんばりすぎてリーダーみたいにムキムキにならないでね!」
この柔らかさがベネとかなんとかいいながら太ももに指を這わせてくる。
「それは私も気をつけるけど、邪魔」
手を抓り上げる、といつものように隣から嬌声が聞こえてくる。

なんだかなぁ。

「そうだな、それなりに動けるようになったら俺から取って置きのスタンド活用法を教えてやる」
氷漬けになったメローネを足蹴にしながらギアッチョが笑った。
「良くわからないけど楽しみ!がんばるよ」
まずは先生に弟子入りするところからはじめなきゃなんだけど。