舞われまわれ | ナノ







なるほど、そういうことか。
「それで、私の電話の相手が彼氏なんじゃないか、と」
「あぁ。それで今誰がそれを聞き出すかもめてたんだ。で、どうなんだ?」
「期待に沿えずに申し訳ありませんが、違うよ」
「そりゃ単刀直入に聞いちゃったら違うって言うに決まってんじゃん!」
「あ?だったらお前が聞けばよかったじゃねーか」
「聞こうとしたら余計な事言うからって止められたんだよ。」
「…メローネ、本当に違うんだけど」

なんでそう、ややこしくしたがるの。

「確かに電話の相手は男性ですが、家族みたいなものです。ちなみに彼氏はいませんし、過去にもいません!」
きっぱりはっきり伝える。

「なんだー。俺もうマキナが処女卒業してるにかけてたのにー」
「勝手に賭けんな」
「ってことはまだ処女?きゃー、俺卒業させてあげようか!?…ぐふぅ!!!」
一発殴ろうかとこぶしを握り締めた時には既に七人分の拳がメローネにめり込んでいた。

チームワーク抜群だね!



「ところでそれがどうかしたの?」
皆が集まってくる理由が分からない。
何となく解散した後、残っていたギアッチョに聞いてみた。
「は?…別に俺気にしてないし。つか自分の頭で考えろ」
なんか半ギレで言われた。
なんでだろうか。
公衆電話で困ること。

「あ、そっか。公衆電話も履歴が残るから場所が特定されちゃう。長電話も駄目だね。逆探知とかされちゃうかもだし」
「いや、…そうだと思うんならそれでいいんじゃね?」

暗殺者としての自覚が足りなかったな。
気をつけなくては。