舞われまわれ | ナノ







それなりに仕事を回してもらえるようになり、今日は単独任務である。
不安と言うことも不便だとも思わない。
けれど道中喋れる相手がいないと言うのはなんだか味気ない。
今回の任務は私怨による敵討らしく、理由や背景には興味はなかったが特記事項になるべく苦しめてからとあったので私が出向くことになる。
理由と言っても浮気されて別れた相手が憎いという子供にはあまり理解できない理由だ。
お金だけはあるお嬢様を敵に回すと怖いんだなぁ。

よし、ここのアパルトメントのようだ。
そこそこ綺麗な所であるがオートロックと言うわけではない。
なんともやりやすい構造だ。
ターゲットの部屋は情報通りの位置である。
暗殺チームは組織でも嫌われているので時々嘘の情報をつかまされたりするのだ。
なので、提出された情報を再確認する必要がある。
面倒だけれど、悲しいことに必要な作業だ。
「さて、と」
イルーゾォから拝借してきたパンツをビニールから取り出す。
もちろん本人には了解を取っていない。
でも洗ったあとなんだから気にすることはないだろう。
なら何故ビニールに入れるかと聞かれれば、
なんだかんだやっぱり汚い気が…。

だって、ねぇ。