舞われまわれ | ナノ







夕飯の準備をしているホルマジオに配膳の手伝いを頼まれ食器類を準備する。
すると彼が7人分しか用意していないことに気づいた。
「今日は誰が仕事なの?」
「あ?ああ。イルーゾォとメローネだ」
「…大丈夫なのそれ」
ホルマジオの返答に眉をしかめる。
二人の性格的な相性は余りよろしくないことがこの数日間で痛いほど分かった。
メローネは他人を弄るのが大好きだ。しかもそれに対して本人は悪びれる様子はない。
一方イルーゾォは弄られるのは苦手だしそれをスルーすることも出来ない。
最終的にいじけて鏡の中へ閉じこもってしまう。
メローネも端から謝る気はないので結局そのままになりしばらくして根負けしたイルーゾォがメソメソ帰ってくるのだ。
そんな二人が二人だけで任務なんて大丈夫なのだろうか。

「大丈夫だろ。今日のはメローネの任務の準備のためにイルーゾォが手伝いに行ってるだけだ」
あいつのスタンドは下拵えが必要なんだ、とホルマジオは笑った。
「そんな料理みたいに」
「変か?よく悪役とかが言うじゃねーか『貴様を料理してやる!』とか」
「あぁ、言われてみれば分かるかも」
でもそういう台詞を吐く輩は大体かませ犬だったりしないだろうか。
「『お前も蝋人形にしてやろうか!』とか」
「…なにそれ」
「ジャポーネの歌らしい」
「へぇ…」
「ネットは楽しいぜー。よし!あいつらに声かけてきてくれ」
「了解」

バーニャカウダ用の野菜をリビングに持っていくついでに廊下のほうへ声をかける。
それにしても、ジャポーネは不思議な歌を聴くのね。