舞われまわれ | ナノ







「お前ら今晩は暇か」
「何だプロシュート、藪から棒に」
「暇なんだな?」

リビングにやってきたプロシュートはそんなことを言い出した。
「暇ッちゃあ暇だけどよぉー。」
いきなりなんなんだ?と俺が聞き返せば苦虫を噛み潰したみたいな顔しやがって全然話が見えない。
「察しろホルマジオ」
「無茶いうなって」
ミネラルウォーターを取りに戻ってきていたギアッチョもいぶかしげにキッチンから顔を出してきた。
メローネもパソコンをいじっていた手を止めている。
「だから、あれだ」
顎に一度手を当てた後、何かを吐き捨てるかのように言い放った。
「…歓迎パーティーだ!飲むぞ!!」
誰の?と聞くのも野暮だが、まさかこの男からそんな言葉が出るとはな。
思わず口の端が上がったのを気づかれないように俺は他のメンバーを見渡した。

意外だったのはソルベとジェラートがそれにいち早く賛同したことだ。
俺のよく読んでるグラビア雑誌を汚物のように扱う奴らだからな。
女なんて大嫌いかと思ったがさすがにあれ位の年の餓鬼は許容範囲のようだ。
ギアッチョは何か言いたそうだったが賛成の声もあったからか何も言わない。
メローネはむかつく含み笑いをしていたが、そう思ったのはプロシュートもだったようで一発かまされていた。

さてそれならそれで、すぐにでも準備を始めないとな。