舞われまわれ | ナノ







「じゅーう」
カチャリ、ドアは当たり前だが開いた。
廊下に人の気配は無かった。一体なんだったのだろう。
…考えても仕方が無い。リビングに向かおう。

「すみません、ご飯って」
リビングの扉を開けながら尋ねる。
扉を開けると16個の瞳に凝視された。

「ようこそ!マキナー!!!」
「メローネさん…」
「やっぱ固まってるじゃねーか、失敗なんじゃね?」
「ギアッチョさんも・・・てか皆さん勢ぞろいで。…リーダーこの状況は…」
「何だといわれれば…言わせてくれるな。お前の歓迎会をやりたいと駄々をこねる奴らがいたのでな」
「リーダー自分のこと棚に上げるなんてずりぃ!」
「しょぉおがねえなあああ。突っかかるなよソルベ…じぇ、ジェラート睨むなよ」

確かにリビングの机には溢れんばかりの料理が載っている。
あと酒瓶。

「私の為に…ありがとうございます!」
とても嬉しい、こんなこと初めてだ。
「そんなわけで皆お前とうまくやっていきたいと思っている、敬語は必要ない、敬称もな」
「リーダー…皆ありがとう!これから、お世話になります!」
「けっ、早く食べようぜ、折角の料理が冷める」
「プロシュートは飲みたいだけだろ」
「んだとイルーゾォ!」
「ひぃぅっ!」
「コラ喧嘩するなといっているだろう」
なんだかリーダーが保父さんに見えてきた。

「口ではあんなこと言ってるがあれはプロシュート流の照れ隠しさ」
メローネが耳打ちして教えてくれる。
「それはわかったけど、お尻を触る必要はあるの?」
「無いといえば無いかな」
「あ、じゃあ抵抗してよかったんだ」
「うーん、その反応は新しい。べネッ!」
「ほらお前らも飲めー!」
「私まだ飲めないよ」
「んな小さいこと気にしたら負けだ!」

飲んだくれて騒ぐ彼らを見て、やっぱり私にかこつけて飲みたかっただけではと思うまで後数時間。

(だって新人への配慮のかけらもない・・・!!)