舞われまわれ | ナノ







「お腹すいたー」
部屋を片付け終わった頃には日はどっぷり暮れていた。
そういえばここではご飯は個人でだろうか。
キッチンもシャワーもトイレも共同だ。
そこら辺の事は何も聞いていない。
とりあえず、リビングのほうに行ってみよう。
ドアを開けようとドアノブをひねると、ドアは開かなかった。

「あれ?」
ぐいぐい動かすとドアの向こうに人の気配を感じた。

「開けてくださいー!」
「まずいまずい、どうするよ!」
「落ち着けジェラート!」
「…ソルベさんとジェラートさんですか?」
「何でかばれてる…!」
「ここ全体的に壁薄いから…」
そうなんだ。
「え、OK?OK?」
「よし、マキナ、たっぷり10秒大きな声で数えてから出てきてくれ。先輩命令だからなー!」
「は、はぁ。いーち!」
ドタドタドタとけたたましい音が聞こえる。
これは一体何の儀式?