舞われまわれ | ナノ







「そういえばリーダー」
「なんだ」
「私の部屋は何処使っていいんですか?」
「…ついて来い」
通されたのは一番奥の部屋だった。

「倉庫代わりに使っていたからな、いろいろ置いてあるからしばらく皆が物を取りに来るかも知れん。入られて困るときは鍵をかけろ」
「了解しましたー」
それにしても確かに乱雑な部屋だ。
汚いというよりは物が溢れているという感じだ。
リーダーが部屋を出ていくのを見送り、早速窓を開けて風を入れる。
ベッドもシーツを引く前に掃除しよう。


ガチャ

「ん?あ?」
「あ、どうも。今日からここが部屋なので置いてある物あったら持って行って貰えると助かりますよー」
「そうか」
入ってきたのはえーっと、そう、プロシュートさんだ!…一番気まずい人が来たなぁ。
なんて思いながらも私は極力気にせず掃除に戻る。
もともと長いこと汚い所に住んでたからこのままでもいいのだが綺麗な所のほうが良いに決まっている。
確かハタキがあったはずだ、と持ってきた小さな荷物の中身を漁る。

「言いたくなきゃいいけどよぉ、なんでお前みたいなガキが俺たちんところ回された?」
戸棚のダンボールをガサゴソ漁りながら彼は聞いてきた。

「上の決定とスタンドがまぁ攻撃的なもので」
「いや、そういうことじゃなく…まぁいいか。殺しが初めてじゃないのは楽で良い。よろしく頼むわ」
「はい」
「あーそのはいっていうのは、…いやなんでもない。じゃあな。邪魔した」
そういって彼は何も持たずに出て行った。

もしかして、声をかけに来てくれたのだろうか。
殺しをしたことが無いわけではないということで幾分か見直されたと言うことか。
なんだ、なんか良い人たちが多いな。
内心ほっとしながら私はまた掃除を再開した。