舞われまわれ | ナノ







多数の視線に晒されながら自己紹介をする。
「マキナといいます、えーと…よろしくおねがいします」
「女って聞いてたのにガキかぁ」
「おい、さっきまでの関心は何処へ行ったんだ。俺はリーダーのリゾットだ」
「よろしくおねがいします」
「あれはリーダーが女連れ込んできたからでぇ、あ、俺メローネ、よろしく。んじゃまぁ手始めに月経の周期でも教えてくれると…あ、まだ来てなかったりする?」
変なマスクの人がパソコンに何か打ち込みながら言ってくる。真面目に受け取るべきなのか、聞き流すべきなのか。

「さっきからテメーはぎゃあぎゃあうるせーんだよ!しかもガキのお守りかよ…なんかの手違いじゃねーの?」
「正真正銘新入りだ」
「そうかい。チッ…ギアッチョだ、足引っ張るなよ」
「よ、よろしくお願いします…」
「俺はホルマジオだ。よろしくな嬢ちゃん」
「殺しの『いろは』もわからねぇような餓鬼を躾けるところからが俺たちの仕事って訳か?めんどくせぇ」
胸元が開いたスーツに身を包むお兄さんがソファの背もたれに寄りかかりながら天井を仰ぐ。
言い方にむっとしたがいきなり人間関係を悪化させるのは私に得が無いので黙ったままでいる。
「プロシュートだ」
「どうも」
天井を眺めたままため息混じりに言われる。

「…イルーゾォ」
「俺ソルベ、でこっちがジェラート」
「自己紹介くらい自分でできるっつうの。よろしくな」
「よろしくです…」
なんか、この二人は楽しそうだな。
「全員終わったか。うちはこれで全員だ。お前を含んで9人でこれから任務に当たる。このアジトは住居も兼ねているが別に部屋を借りてもかまわない。ほかに分からないことがあればその都度聞け。独断は無謀だ」
「わかりました」
どうやらそれで終わりのようだ。
周りも部屋に帰ったり自分の世界に入ったりしている。
なんだかなぁ、フリーダムな人たちだ。