舞われまわれ | ナノ







「聞いてのとおり君のことが何処にも載っていないんだがねぇ」
「…ブチャラティは私がスタンド使いであると昨日まで知りませんでした。私自身、この力がスタンドという存在であると確証がありませんでしたので言いませんでしたから。きっと今更どう報告したものか悩んでいるだけではないでしょうか」

今日、学校へ行こうとしていたら彼らへここへつれてこられた。
怖かったけど、ブチャラティと同じバッジをつけていたし以前来た事のあるこのビルだったので言うことを聞いてついてきた。
ブチャラティが一年前も今回も私の事を組織に伏せているのは私のためということは知っている。
けれどもそれが理由で彼が組織に目をつけられるのは私の思うところではない。
私は平然と嘘をついた。
大変喜ばしくないことだがチルコのおかげで感情を抑えるのは得意だ。

「確かに。フゥ〜、今更保護した一般人の少女はスタンド使いでしたとは言いづらいからねぇ」
ブチャラティがこっちを凝視している。あ、どうしよう。

「ご、ごめんなさい、ブチャラティ。別に学校サボったわけじゃないんだよ!」
あわてて弁解する。怒られるかな、折角学校に行かせてくれてるのに風邪でもないのに休んじゃって

「いや、…ポルポさん、これは…?」
「ネアポリス内のスタンド使いは出来るだけパッショーネの管理下に置きたいと言うのがボスの要請でね。彼女がスタンド使いであるという情報を掴んで確認を取ったらそうだというじゃないか。しかし君からの報告は無い。しかし私の気負いだったようだねぇ、ブフゥ〜。君が裏切る分けないか」
「裏ぎ…そんなことしません、しかし彼女は」
「怒らないでくれたまえ。ところで君は何処の組織にも属さないスタンド使いがこの界隈にいたらどうするかね。しかもそいつの能力はかなり危険なものだとしたら?」
「それは…」
消すだろうな。
なんて他人事のように思う。
私の事に決まっているわけだが。

「そういうわけだ。彼女はこれからパッショーネの一員となってもらうことになるが、かまわんね?何、君のときのように学業への配慮はさせてもらう」
「彼女が…了承したのなら俺が口を挟む問題ではありません」
「だ、そうだがぁ、どうかね。」
そんな話をされたら私に拒否権はないようなものだ。
組織に入るということは、またチルコのような目にあうかもしれない。
けれど、ここにはブチャラティがいる。
ブチャラティの役に立てるなら…拷問…は凄く嫌だから遠慮したいが、それ以外ならなんだってやってやる!

「よろしくお願いします!」
私は元気に礼をした。