舞われまわれ | ナノ
「マキナ、大丈夫か!?」 「うん、ブチャラティは…無事?」 「ああ、助かった。ありがとう」 「ううん、お礼を言うのは私なの。私を人間にしてくれてありがとう」
今までのどんなときよりも嬉しそうに、心から彼女は笑った。 出会った日に見た笑顔なんかよりも幾分も輝いた笑顔を。
俺はこの子を救ったと心のどこかで慢心していた。 でもそれは違った。彼女は自分の力でここまで這い上がってきたのだ。 そう思わせる力強さを彼女の瞳は秘めていた。 「きっかけだけだったのかもな」 「え?」 「いや、帰るぞ」 その前に組織に連絡を入れないとな。
「マキナ、かぁ」 騒ぎを聞きつけてこちらに来たときには既にスタンド戦が始まっていたため近くの路地から様子を窺っていた。 チルコにスタンド使いの生き残りがいたことはこの際どうでもいい。そいつはもう既に死んでいるのだから。 それよりもその少女の能力に驚いた。 「ボスに伝えないと」 とぅるるるるん、とぅるるるるるん 電話の呼び出し音が聞こえる。
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