舞われまわれ | ナノ
およそ一日ぶりの外の世界は予想外に暗くて寒かった。 外から見て、ここが倉庫でなくコンテナだったことを知る。 ここの他にもたくさんコンテナがあって、その分路地もたくさんある。 路地のひとつを覗くと、向こうに海が見えた。 「マキナ、雨水が溜まったタンクがある。火傷を冷やせ」 来た方向を振り返ると、ブチャラティが打ち捨てられたタンクの中に溜まった水を見て言う。 たしかにすぐに消したとはいえ足の裏は確実に火傷をしていて歩くと痛む。 けれど。 「…いやいい」 あくまで憶測である。それでも、その水を使うことは躊躇われた。 「…何?」 「さっきは血が燃えてた。もしかしたら水も燃えちゃうかもしれない」 「なぁんだ、ばれちまってんのかよぉー」 背後の路地から聞きなれた声が聞こえてきた。
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