舞われまわれ | ナノ







私は階下に降りてきた。
ナランチャには何やらえらく感謝されてしまったが、もう大丈夫なようなので一安心である。
次はリストランテで待ちぼうけにさせてしまったフーゴである。

「フーゴとしては、今回の事態をどう思ってる?」
ナランチャと同じように話を切り出した。
「ナランチャが精一杯やってるのも知ってます。彼の頑張りだって努力だってその成果だって。少し、別のことで苛立っていて、言葉が酷いものになりました。その結果、あんな大喧嘩になってしまいました。僕がいけないんです」
フーゴはすらすらと、そう述べた。
でも不思議である。
「そこまで反省してるのなら、どうして仲直りしなかったの?」
「それは…」
なにやらまだ何かあるようだ。
「そこがはっきりしないと話が進まないじゃない」