舞われまわれ | ナノ







「人体発火、ですか?」
「ブフゥ〜。それで、どう思うかね?」

最近またパッショーネの人間が次々と死んでいるらしいという話は集金仲間などから噂として聞いてはいた。
しかし死因については初耳だった。
皆一様に焼死で火種は自分自身、所謂人体発火現象というやつだという。

「スタンド使いの可能性もあるかと…まさか、チルコの報復?」
「いかにも、我々もその線を睨んでいる」
「しかしチルコにスタンド使いがいたという話は…」
「君のいた地区にはいなかったようだがこちらにはいたのだよ。まぁうち程ではないがね」

それはそうだろう、パッショーネのようにスタンド使いを量産できる組織が他にあったらたまったものじゃない。

「フゥ〜、しかし皆殺しにしたはずなんだがなぁ。取りこぼしがあったようだ。それともほかの地区のミスかな。なんにせよ私の管轄下で起きた以上私が行動を起こさねばならなくてね。君に捜査を任せる、期待しとるよ」
「わかりました、失礼します」

時刻は既に遅いが任務にそんなことは関係ない。
早速、目撃者に当たりに行くとしよう。