舞われまわれ | ナノ







「…猫、ねぇ」

結局猫の面倒は私が見ることになった。
自ら立候補したというよりは消去法に近かった。
この猫、なかなかの曲者で大変わがままだなのだ。
先ほどの食事の世話を思い出す。

この子と来たらブチャラティが買ってきたキャットフードに見向きもせず、私たちのお昼にと買ってきた鮮魚に当然のようにかじりついたのだ。
しかも何処となく不満そうな顔で、だ。
安い魚で悪かったな。

案の定ナランチャ、フーゴはキレかけブチャラティですら笑顔が凍りついた。
大事な組織のデータに何かあっては困る。
ということで、ひとまず私が預かることになった。

「お前さん、どんな生活送ってたの…」
そう目線を合わせて話しかけても、すぐにそっぽを向かれてしまった。
なんとか場を和ませようと猫を撫でようとするが、逃げられてしまった。
はたかれないだけ、ましだろうか。

そうプラス思考に物事を考えようとしてみたものの。

猫が向かった先は
「マジですか…」
私のベッド。
そして、当たり前のようにその中央で丸まって寝始めた。
「勘弁してよー」
どの道今日は護衛の為に寝るつもりはなかったのだが、なんだか釈然としなかった。