舞われまわれ | ナノ







<イルーゾォの場合>

プロシュートが消えていった扉が再び開いた。
出てきたのは黒髪の彼だ。
「おはよう、イルーゾォ」
「お、おはよう」
「部屋から出てくるなんて珍しいね」
「人を引きこもりみたいに言うなよ・・・」
「だって洗面所とかも鏡の向こうにいるじゃん」
「そのほうが効率的に水場が使えるだろ?」
「イルーゾォと面と向かって歯を磨く状況に慣れればね」

あれ、慣れるまで結構気まずいんだよね…。

「・・・」
「・・・」
「・・・」
「あ、」
「っ!!」
「イルーゾォ、その雑誌とって」
「・・・ほら」
「ありがとう」
「・・・」
「・・・」
「・・・どうしたの、さっきからそわそわして」
「・・・いや、部屋に戻る」
なんか、オーラが重かった。