舞われまわれ | ナノ







ああ、またやってしまったんだ。

状況を把握して、数秒。
倒れたナランチャが、なかなか動かないことに僕の背筋は凍った。

「…あ、ああ!ナランチャ、すみません!!!」
駆け寄れば、気を失っているだけとわかり安心した。

「で、今回の原因は何?」
「…それは、その…」
なんてことないことだ。
ナランチャが僕の名前を面白がるから。

マキナに言うのを止めようと必死になって気付けば本を投げていた。

「まぁいいけど、あんたが良心の呵責で死なないか心配だわ」
「マキナは僕を買いかぶりすぎですよ」

僕は、そんな大層な人間じゃ無いんだから。

そう、そんなできた人間じゃあないんだ。