舞われまわれ | ナノ







「ボスの不思議な能力って何なんですか?」
「何って言われてもなぁ。不思議なんだよ。な?」
「ああ、良くわからねーけどボスは無敵だぜ!!」

要領を得ない会話に苛立ちを募らせながらも僕は情報収集に専念している。

「そうなんですか、凄いですね。」

今まで様々な奴にそれとなくボスの能力についての話を聞きだしてきたがどいつもこいつも似たような抽象的な言葉ばかりで実態が把握できない。
このままじゃ埒が明かない。
どうしたものか。

「ほんとはよぉ、もう一人不思議な能力もってる人がいてな。」
「死んじまってよ。今のボスに昨日変わったばっかりなんだ。そのボスの汚名挽回の為に今のボスが立ち上がったのさ。」
「え?」
聞き間違いだろうか。
「あ、名誉返上ってやつだな!」
ブツン。
「ま、俺は楽して儲けられるならそれでいいんだがよ。」
「それを言っちゃお終いだろ!」

「…お前らの頭にはおがくずでも詰まってんのか?」