舞われまわれ | ナノ







「まるで水風船ね。」
「何がです?」
「アンタの怒り方よ…。」
ブチャラティのお叱りから解放されると、リビングで優雅にくつろぐフーゴがいた。
畜生、私が怒られている間に…。

「…すみません。」
「嫌なことがあったのなら爆発する前に言ってほしいわ。」
それこそが平和的解決への一歩だろう。

「別に、何かを我慢しているわけじゃないんです。ただ…。」
「何よ。」
「…本当に突然爆発しちゃうんです。水風船なら、途中で水を減らすことができます。でも僕の場合、癇癪玉みたいで。思わぬ衝撃で一気に爆発するんです。」
癇癪玉よりも柔ですよね、なんて自嘲気味にフーゴは笑った。

「ふーん。」
「なので、我慢しているつもりもする気も無いので。気にしないでください。」
「…そう。」
「すみません。」
「いや、もう謝ってくれたしそれはいいんだけど…。」

今後どう接していけばいいのだろうか。
巻き込まれる方の身にもなれっていうんだ。

私にはどうにも、この新入りが理解できない。