舞われまわれ | ナノ







「マキナ、ありがとうな。ほんとに。俺、俺…俺絶対に一人前になるから!一日も、はやぐぅぅうう…」
「当たり前でしょー、もう。何回泣いてんのよー。」
よしよしと、泣きじゃくるペッシをあやしながら痛感する。
…一人前への道は遠そうだ。
まぁプロシュートが彼を見捨てることはないだろうから、根気よく二人で頑張ってほしい。
もう、私はフォローに回れないから。


今日、私はここを発つのだ。


「えっと、というわけで。」
割とあっさりした皆からの挨拶が終わる。
もっと、こうなんかあるかなと思っていたが、これはこれで皆らしくていいかな。

「いざとなると、言葉にならないもので。…ありがとうとしか言えないねー。」
皆が静かに私のほうを見ているのが非常に似合わない。
「ところで。」
ペッシから離れ、荷物を手にとり再度皆のほうを向く。
「私は皆のことが大好きです。みんなも私のこと好きだよね?」
途端にみんなの顔が引きつった。
あれ?あ、照れてるんだね。

「お前な…。」
「その絶対的な自信は何処からくるんだよ。」
ソルベとジェラートが苦笑する。
「何よ違うわけ?最終日にして衝撃の事実発覚?」
「お前らしいな!」
「いいよなぁお前、人生楽しそうで。」
カッカッカッと笑うホルマジオの横でイルーゾォが深いため息をついた。

「ほんと、図太いな。」
「二の腕もねー。」
「プロシュートはともかく、メローネなんてちょん切れろ。」
「ナニを!?ちょ、スタンドしまえよマキナ!」

メローネをブレインシチューで牽制する。
デリカシーがないというよりはセクハラな発言も暫く聞けなくなると思えば寂しい、ということは全然なかった。
メローネにあえないのは寂しいけど。

「そんなわけで私の勘違いでなければ、皆私の事大事に思ってくれてたみたいなので。」
「自分で言うな。」
「うるさいギアッチョ!まぁチーム的に少々距離は置かざるを得ないとは思うけど、さよならってよりはこれからもよろしくなつもりなので!縁を切ろうったって許さない!」
「図々しいな。」
「リーダー、水刺さない!だから。」
今みたいな笑顔でまたここに戻ってこられるように。

「またね!!」

それは再会の約束。