舞われまわれ | ナノ
本当にアンタって奴は。
そうだよな、アンタは俺たちに歩み寄ってくれたよな。 小さい体で必死に俺たちについてきてくれたよな。 それなのに、ちょっとアンタが違う方向に歩き出しただけで、後を追ってくれなくなるだけで。 後を追ってたのはどっちだろうな、まったく。 でも、それくらい寂しいんだぜ? くらいのことがちゃんと言えればいいんだけど、俺のキャラじゃ無理だな。
でも、アンタが歩み寄ってきたら意味がないんだ。 俺も、アンタに歩み寄れるかな。 そっちに近づけるかな。 けど俺一人じゃ意味無いよな。 皆で、9人で、そっち側に近づけるかな。 それって、すげえ、いいよな。
「メローネ?」 どうしたの、と困ったように、マキナは手を握り締めたまま笑う。 っていうか、俺が手を離さないだけなんだけど。
「いや、なんか。うん。」 手は離したくないけど、こっちは見ないで欲しいな。 なんてうつむきながら思う。 あー、くそ。 マキナの顔が見れない。 今見たら、馬鹿みたいだけどさ、俺。
「メ、メローネ!?ど、どうしたの?」 ばれちまった。
少女の手を握って泣く大の男っていうのは、どうなんだい? あー、俺何してんだろ。
ほんと、なにしてんだろ。
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