舞われまわれ | ナノ
「話がある。」 夜、リーダーの一声でリビングに全員が集まった。 「なんだ、任務か?」 「全員参加の?」 ソルベとジェラートが顔を見合わせ頭に?を浮かべている。 リーダーに目で促されて、私は一息深呼吸をした。 言いたくない。 けど、言わなくちゃいけない。
「私、…っ他のチームに異動になったの。」 真っ直ぐ顔を上げて、私は言った。 「ちょ、それってどういうことだよ!!!」 隣に座っていたメローネに両肩を掴まれる。 「上からの指示でね、来月から」 「そうじゃなくて」 肩を掴まれる力が増してちょっと痛い。
「メローネ、離してやれ。」 反対側にいたイルーゾォがメローネの手を掴んだ。 「…。」 何か言いたそうな顔のまま、メローネは肩から手を離してくれた。
「それは、間違いないんだな。」 「うん…。」 しっかりと頷く私を見てプロシュートは盛大に舌打ちをする。
「あの、皆。今までありがとう。本当に、ありがとう。」 「しょおがねえなぁ、なんだこの辛気臭い空気は。決まっちまったもんは仕方がないだろ、誰のせいでもないんだから、あー!お前ら、んなイライラすんなよ!」 「ホルマジオ…。」 「それとなマキナ、そんな辛気臭い顔すんなよ。お前は笑ってろって。…水臭いこといいってんじゃねぇ。」 「そうだぜ。」 ギアッチョもホルマジオに同意する。 「何が今までありがとう、だ。これで最後なのかよ、イラつくぜー、そういうの。」 「また折を見て遊びに来ればいいだろ?あー、ほら!大の大人がめそめそしてんじゃねーよ!」 「…うんっ!」 泣き出したソルベとペッシに釣られてか、私までまた泣けてきた。 ああ、そんな風にされたらなおさらここが恋しくなるじゃ無いか。
必死に涙をこらえようと私は天井を見上げた。
私はなんて、幸せ者なんだろうか。
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