舞われまわれ | ナノ
「長かったな。」 「喋って喋って、喉渇いちゃったー。」
ペッシの部屋を後にしてリビングに戻ると酒が入ってるにしては珍しく潰れてないプロシュートがいた。
「飲むか?」 「いや、遠慮する…。」 ナターレのことを思い出すとお酒を飲む気にはならない。 ミネラルウォーターをぐびぐび飲みながらリビングに戻ってくる。
「ペッシにはなんていったんだ。」 「なんていったらよかったのかな。」 「は?」 「いや、とりあえず、悩みまくれとは言ったはず。うん、そんな感じ。」 「ふん、悩んでる暇があったら成長しろってんだ。」 「悩みながらも成長すると思うよ。見守ってやってよ、兄貴!」 「兄貴って呼ぶんじゃねえよ、先輩。」 「あー…先輩はまだ私には無理だなって痛感したんだよね。」 「まぁ餓鬼だしな。」 「若いって言うの!この酔っ払い!」
自分の過去としっかり向き合うだけの強さが私にはないんだ。 そう、思い知らされた。 いっそ忘れちゃえばいいのにね。 (ほら、また逃げた。)
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