舞われまわれ | ナノ







「ブローノ、今日は何時くらいになるんだ。」
「そう遅くはならない。」
「そうか。」

あれ?

「ブローノ?」
「…な、なんだ急に、マキナ」
「ブチャラティの名前?」
「あ、ああ。」
「ブチャラティが名前なのかと思ってたわ。」
私は今まで苗字で呼んでたのか。

「ブチ…ローノ。」
「…。」
「ブチャー、ノ」
混ざった。

「無理しなくていいから。」
「でも。」
苦笑したブチャラティが言う。

「多い名だしな。苗字のほうが俺も分かりやすい。」
「そっか。」
そういうものなのか。

「そうだ。おっと、それじゃあ行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
「ああ。」

(引き取られてすぐのこと。)