舞われまわれ | ナノ
「帰ってきたの?」 「ああ、間違いない。さっきフロント行く振りして見て来た。この二部屋先だ。」 部屋を出て行ったギアッチョが待ちくたびれたと言わんばかりの様子で入ってきた。
「一気に行くか?」 「二人に任せるよ。」 「チョロそうだし俺行ってくるわ。」
よほど待ってるのが暇だったのだろう。 暴れたくてうずうずしている様子のギアッチョに乾いた笑いが出る。
「いいけど報酬は俺らの分と山分けだからな。」 忘れるなよと言わんばかりにコーヒーを飲みながらイルーゾォが言う。
「そこまでせこくねーよ。じゃあ行ってくるわ。」 「行ってらっしゃい、お兄ちゃん!」 「ぶっ殺すぞ!」 お兄ちゃんはやっぱり反抗期のようです。 私はコーヒーを噴出したもう一人のお兄ちゃんにタオルを投げた。
暫くすると向こうのほうが騒がしくなる。 やってるやってるなんて思っていると静かになったので終わったのかなと思ったのだけれど 「・・・。」 「遅いね。」 ずびずび鼻を鳴らしながらイルーゾォに言う。 嫌な予感がする。
「ちょっと見てくる。お前はここにいろよ。」 「えー、ギアッチョがここの部屋から出てきたの分かったら私殺されちゃうよー。」 「しょうがないな、鏡のこっちのこの部屋で、待ってろ。」 「私も行くって言ってんの!」 「あーもう、わかったよ。マン・イン・ザ・ミラー!!!」
さてさて、ギアッチョ生きてるかなぁ。
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