舞われまわれ | ナノ







「おぉ・・・普通の部屋だ!」
「当たり前だろ。」
「どんなところ想像してたんだよ。」
一斉に投げかけられる冷たい一言。

「え、でもメローネがホテルは皆ベッド動くって。」
「「…。」」
なんですか、この空気は。


「なんかよくわかんないけど…。そ、それで、あちらさんは何時ごろ帰ってくるわけ?」
「…夜ごろじゃね?」
小さくメローネ殺すとか聞こえたのは気のせいじゃないんだろう。
しかしそんなアバウトな。

今の時刻は4時、日は容赦なく傾くが夜まではまだある。

「そこら辺散歩したい!」
「は?任務だぞ。」
「でも、そのほうが自然に偵察できるじゃ無い。はしゃぐ末っ子と付き合わされる兄の図。」
「まぁ確かに。」
「でしょ!」

ネアポリスから出たことがあまりないのでぜひ色々見てみたいのだ、といってもここには山しかないが…私には山も珍しい。
「でも必要ないからな。」

ギアッチョを説得できたと思ったけど、エキストラベッドなるものを広げていたイルーゾォに一蹴された。
「俺が鏡の中から偵察に行くから。」
「つ、着いていきたいなぁ、とか。」
「本気か?」
「駄目、だよね…。」

少し、我侭を言い過ぎたか。
残念ではあるが、我を通す気はない。
断られたらそれ以上は、言うつもりは無いのだ。
「…ギアッチョ、留守を頼めるか。」
「ったく、しょがねーな。イルーゾォの足ひっぱんなよマキナ。」
「あ、ありがとう!!!」