舞われまわれ | ナノ







「団体行動の任務って久しぶりかも。」
「そうか?…そうかもなぁ。」
「大人数相手に出来るのがお前だけってのも不安なんだけど。」
「んだよ、任せとけって。」

私とイルーゾォ、ギアッチョの三人はとある組織の要人が滞在していると言うモーテルまで来ていた。
ギアッチョの乱暴な運転でモーテルの中に乗り入る。
駐車されている車は如何にもな黒塗りの高級車ばかりである。
情報は合っていたようだ。

手続きにイルーゾォが降りていった。
「直接入ってきちゃって良かったの?」
「まだ帰ってないみたいだからな。おそらく裏手の山で取引か、ブツの回収か、死体遺棄だな。」
「そっか。」
「何そわそわしてんだ?」
「いや、私ホテルとか初めてなんだよね。」

旅行みたいで楽しいなんていったら怒られるだろうか。

「マジか。あんまキョロキョロすんなよ。」
「あ、そうだね。」

暫くしてルームキーを持ったイルーゾォが戻ってきた。
「怪しまれないためになんか兄弟ってことになった。」
「は?ふざけんなよ、くそっ!もっとましな言い訳無かったのかよ!」
「そうでも言わないと潜入できないんだよ。交渉の末、一部屋借りられたんだから。」
「だからってよぉおおお!!!」
「反抗期だね、お兄ちゃん。」
「マキナ、てめぇっ!!!」

きっとあの車の持ち主たちの手がモーテル中に回っているのだろう。

「はいはい、喧嘩すんなよ。そっちの一番端の部屋だ。」
「くそがっ!!!!!!!!!!!!」

それにしてもギアッチョの運転は荒い。