舞われまわれ | ナノ
ボスへの年内の収支報告も済ませてすることがない僕は、なんとなくネアポリスの町を歩いていた。
あれ、そういえば僕何時からアイスなんて季節外れのもの持っていたんだろう。 いつの間にか電話も落としちゃったしついてない。 なんて思ってたら何もないところで盛大に転んだ。ああ、ついてない。
そんなことを思っていた僕に大丈夫かと声をかけてくれた子がいた。 僕の服にべったりとついたアイスを見て躊躇いもせずハンカチを差し出してくれる子。
僕はこの子を知っている。 チルコにいた、スタンド使い。 何で彼女がここにいるんだろう。帰省中なのかな。 優しくされたことも嬉しかったけど、ただ単に彼女に少しの興味がわいた僕はこの機会を利用させてもらうことにした。
「本当に助かりました、あの、貴方さえよければお礼させてください。」
「へー、それじゃあマキナは今帰省中なのか。」 「まぁね。」 「でもあっちって治安悪いって聞くけど、平気なの?」 「確かに、良くはないけど私だってなんの心得もないわけじゃないし。」 「それは凄い。ギャングなんか一捻り、だね?」 「ハハハ、うんまぁ。」
(そのギャングなんだけど…)
(君を此方に引き込んだのは僕なのに。)
((白々しいったらありゃしない。))
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